2014年9月
午前中で半分が汚染される
職場の誰かが風邪をひいて、咳やくしゃみをしていたら、うつされそうな気がする。
そんな気がするに対する研究結果が米アリゾナ大学の研究チームより報告されています。
その研究結果によりますと、オフィスにウィルス感染した人が一人いるだけで、オフィスで一般的に
触れるものの半分以上が、午前中でウィルスに汚染されるそうです。
実験は一般的なオフィスで行われ、通常の業務日に朝出勤してきた従業員の中の約80名に数滴の
水を自分の手に垂らしてもらい、普段どおり勤務してもらいました。
垂らした水のほとんどは、普通の水でありましたが、ただ1名には、本人には知らせず、人工的に作り
出した風邪やインフルエンザ、胃腸炎のウィルスを含んだ水を垂らしておきました。
そしてその4時間後、一般的に触れるオフィス内の表面部分だけでなく、従業員の手もサンプリング
したところ、表面部分および従業員の50%以上が、少なくとも一つのウィルスに感染していたことが
判りました。
中でもこの人工ウィルスが多く付着していたのは、電話機、デスクトップ、ドアノブ、コピー機やエレ
ベーターのボタンなどでした。
その後、業務の終了時に再びサンプリングしたところ、もともと生存時間の短いとされる風邪やイン
フルエンザのウィルスはほぼ消滅していたが、胃腸炎のウィルスはオフィス内の70%まで広がり続け
ていたことも判りました。
今回の実験したオフィスは、個々に間仕切りされた独立のデスク環境だったにもかかわらず、短時間
でここまでウィルスが拡がったことに研究者は驚いています。
「ほとんどの人は、咳やくしゃみが細菌を拡散させると思いがちですが、むしろ手が触った表面
から細菌が拡がることが最も多い」
「風邪やインフルエンザのウィルスが一日の終りに消滅していたとしても、他の従業員に感染
するリスクは高い。」
「重要なことは、病気になったときには家にいることです。」
と研究者は語っています。
イラストレーターわたなべふみ
デング熱もウィルス
70年ぶりにデング熱の国内感染が確認され、広がりを見せています。
東京都の代々木公園が感染源のようです。
デング熱について調べたものを、以下にまとめてみました。
デング熱は、デングウィルス(これもウィルスなんですね)に感染しておこる急性の一過性熱性感染症
です。
潜伏期間の3~7日を経た後、突然の高熱を発症し、頭痛、眼痛、顔面紅潮、結膜充血を伴い、発熱は
2~7日間続きます。また、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身の倦怠感の症状が出ます。発症後3~4日
に胸部や体幹から発疹が広がります。
ごく稀に出血症状を発症する人がおり、その場合は適切な治療が必要になりますが、致死率は非常に
低いようです。
また、感染しても発症しないことも多くみられるようです。
そして、デングウィルスが体内から無くなれば、症状も改善し、症状が回復し始めると迅速に回復します。
感染経路は、ウィルス感染している人の血を吸血した蚊が媒介して、他の人を吸血することでウィルス
感染します。人から人への直接感染例はないようです。
媒介する蚊の種類は限られており、日本には常在していないネッタイシマカの媒介が多いようです。
日本では、ほとんどの地域でみられるヒトスジシマカが媒介します。
但し、ヒトスジシマカは越冬ができず、卵を介して次世代に伝わる報告もないようです。国内の活動時期
は、5月中旬から10月下旬頃までです。
現在の日本には、デングウィルスは存在しないと言われておりながら、東京都での感染が確認されまし
た。
デングウィルスに感染していた人が代々木公園に行って蚊に刺され、そこから他の人に広がった可能性
が高いといわれています。
デングウィルスに対する薬はなく、対処療法となるため、予防には、蚊に刺されないように回避すること
しかありません。
やはり、予防が大切です。