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2017年2月

 抗菌製品の知っておくべきこと

  先日に読売新聞に「抗菌」加工を施した商品についての記事が載っておりました。
 

  一般社団法人抗菌加工製品技術協議会によると、抗菌加工製品とは、製品の表面で細菌を増殖
  させないように加工されているものと定義しています。
  あくまでも、細菌の増殖を抑える機能までということになります。

  細菌やウイルスなどの微生物を死滅させる「殺菌」や除去する「除菌」とは作用が異なります。


  同協議会では、抗菌加工されていない製品の表面と比較して、細菌の増殖率が100分の1以下
  であることで抗菌効果があると規定しています。


  現在、あらゆる抗菌加工製品があります。

   日用品 :まな板、スポンジ、三角コーナー、洗面器、ゴミ箱、ブラシなど

   家電製品:エアコンフィルター、空気清浄機、冷蔵庫、掃除機、洗濯機など

   住宅建材:壁紙、便器、便座、洗面台、タイル、塗料など

  他にも、砂場の砂やペット用品にまで抗菌製品があるのには驚きです。


  抗菌加工には様々な方法があり、製品の素材により、抗菌剤を練り込んだり、表面を抗菌剤で
  コーティングする方法が採られます。

  その中で、抗菌剤として多く使用されているのが、銀や銅、亜鉛、二酸化チタンなどの金属で
  す。金属の性質を利用し、細菌の機能を停止させ、増殖を抑制します。


  ここで、ポイントとして抑えておかなければならないのは、抗菌の対象は、大腸菌や黄色ブド
  ウ球菌などの細菌類ということです。

  案外知られていないと思われるのが、ウイルスは対象外だということです。

  したがって、ノロウイルスやインフルエンザウイルスなどにも効果がありません。
  カビなどの菌類も対象となっていません。


  ですから、表面に付着したノロウイルスやインフルエンザウイルスなどは、別の方法で消毒す
  るしかありません。

  また、いくら抗菌製品だといっても、「細菌が増えないから少しぐらい汚れていても大丈夫」
  というのは大きな間違いという。
  表面が汚れていては、抗菌効果が発揮できないからだそうです。


  したがって、抗菌加工製品であっても、表面の汚れを取り除くなど、掃除や手入れをして、
  いつもキレイに清潔に保つ必要があるということです。

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 くしゃみ・せきのしぶきはリスク大

  インフルエンザや風邪にかかった人が、くしゃみや咳をすると、なんとなく気になります。
  ウイルスや菌がばら撒かれているのではないかと。

  厚生労働省のサイトでは、くしゃみや咳を浴びる距離を2メートル程度とし、その範囲内に
  いる人は飛沫感染の危険性が高いとしています。


  それでは実際に、くしゃみによって菌はどれくらいの距離を飛ぶのか。


  約3年前になりますが、アメリカのドキュメンタリーチャネル「ディスカバリーチャネル」
  の番組でその実験をしています。

  実験を行ったのが、ハリウッドの特殊効果スペシャリストたちです。

  毎秒3000コマの撮影が可能な高速度カメラと、なんと9メートルまで測定できる巨大物
  差しを使用し、鼻から吸い込む粉末状の嗅ぎタバコを使って、くしゃみを誘発しています。


  そして実験では、くしゃみとともに飛び散る唾液や鼻水のしぶきが超スローモーションで
  しっかり捉えられています。

  その映像から、しぶきが30cmまで到達するコマ数により、くしゃみの速度を計算すると、
  時速は60キロ前後であることが分かりました。日本では、くしゃみのしぶきの早さは新幹線
  並みといわれていましたが、それ程速くはないようです。


  また飛距離については、4~5メートルまで飛んでおり厚生労働省の公表値2メートルより
  も大きく飛んでいます。

  4~5メートルも飛んでしまうということは、飛沫感染による感染拡大の要因となるのは間違
  いありません。


  さらに同じ回の番組で、手を通じた接触感染の拡大の実験も行っています。

  紫外線を当てると光る染料を入れた人口鼻水を分泌する装置をつけて、パーティーに参加した
  結果、ほとんどの参加者の手や腕に蛍光染料がベッタリ付着していました。

  装置をつけた実験者が鼻水をぬぐった手で触れたものを通じて、他の人に付着していったよう
  です。


  一人の風邪引きスタッフがいるだけで、空気感染や接触感染によって感染するリスクは十分に
  あるようです。

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 インフルエンザを治す薬はありません

  2月に入った現在も、インフルエンザが非常に流行しています。

  国立感染症研究所が発表している「インフルエンザ流行マップ」を見ると、関東地方から九州
  地方にかけて、警報レベルを超えている都府県がほとんどの状況で、日本地図が赤く染まって
  います。


  2017年第5週(1月30日から2月5日)の定点当りの報告数が50を超えている都道府
  県は、福岡県(55.03)、宮崎県(54.02)、愛知県(51.44)、高知県(50.60)
  で、4県もあります。その他にも、多くの県で大流行しています。
  学校においては、学級閉鎖、学年閉鎖になっているところもあります。

  第5週の1週間に、インフルエンザで医療機関に受診した患者数は、推計約199万人に上って
  います。


  それだけ多くの方が受診し、おそらくインフルエンザの薬としてもらっていると思われます。
  ただしそれはインフルエンザを治す薬ではなく、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるため
  の薬です

  治すのには、体に備わっている免疫力がウイルスを退治してくれるのを待つしかありません。


  ですので、かからないように予防することが、ある意味一番良い薬になります。

  かからないようにするには、まず、インフルエンザが人から人へどうやって移っていくのか、
  よく理解しておく必要があります。

  インフルエンザの感染経路には、感染している人のくしゃみや咳で出るしぶきを吸い込むこと
  によって感染する飛沫感染と、感染している人のウイルスを含む唾や鼻みずが手に付着し、そ
  こからドアノブやつり革などを介して手に付着し感染する接触感染が主だといわれています。

  しかし、実際にはどの感染経路が多いのか、まだはっきりと分かっていませんし、今後もはっ
  きりするとは思いません。
  ですので、あらゆる感染経路を想定して、予防をするのが一番です。


  予防の定番、手洗い、うがい、マスク着用は最低でも行いましょう。
  厚生労働省では、手を洗うときは石けんを使って最低15秒以上、指の間や手首まで含めて
  しっかり洗うことを推奨しています。
 

  あらゆる感染経路を想定して、オフィスの予防の定番「電話しょうどく」、「パソコンしょう
  どく」もやりましょう!
 

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