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2014年10月

殺菌効果が認められた病原性微生物②

  電話消毒薬の主成分の硫酸オキシキノリンによる殺菌効果が認められた病原性微生物

  結核菌


  その名のとおり、結核の直接の原因となる細菌です。

  長さ1~4ミクロン、幅0.3~0.6ミクロンの棒状の形をしており、いくつもの菌がくっつきあって房のように
  なっています。
  酸やアルカリに対する抵抗性は強いのですが、紫外線には弱く殺菌灯が感染防止に用いられています。


  結核菌は、肺に巣食うことが多く、結核に罹ると最初は炎症から始まります。炎症が進むと、やがて組織
  が腐った状態になります。その後、腐った組織がどろどろに溶けて、穴の開いた状態になり空洞を形成し
  ます。
  空洞の中は空気もあり、肺からの栄養もあるため結核菌の絶好のすみかになり、ここでどんどん増殖し
  ます。

  この空洞が形成された結核患者は排菌量が多くなり“感染源”となりやすく、咳やくしゃみに混じって空気中
  に吐き出され、他人に感染させるようになります。

  また、結核菌は肺ばかりではなく、リンパ液や血液の流れに乗って、ほぼすべて臓器を冒します。


  結核菌に有効な“抗結核薬”は、現在約10種類以上あります。結核菌はしぶとい菌のため、薬を6~9カ
  月間服用して治します。またその間に薬になれて耐性ができるおそれがあるため、3~4種類の薬を一緒
  に使うのが鉄則です。
  途中で止めてしまうと、多剤耐性菌ができてしまうため、最後まで飲み続けることが大切です。


  結核は、平成24年には全国で約21,300人、東京都で約2,900人が報告されています。
  全世界の総人口の約3分の1が結核に感染しており、毎年900万人が発病し、200万人が死亡していま
  す。近年、HIV感染者の増加により合併症として結核がまん延しています。

  結核、エイズ、マラリヤを3大感染症と呼び、この3つの疾患で毎年500万人が死亡しています。


  電話消毒薬は、結核菌にも有効です。 

 

生肉で感染拡大

  国立衛生研究所によると、2013年の国内のE型肝炎ウィルス(HEV)の感染患者は126人で、2年
  連続で増えているそうです。

  数万から数十万人単位のB型やC型に比べると圧倒的に少ないですが、2011年以前の平均と比較
  すると倍増しています。

  WHOの報告では、世界中で毎年2,000万人が感染しており、300万人以上が急性E型肝炎を発症
  し、5万6千人強の人が関連して死亡しています。

  感染リスクの高い地域は、衛生状態が悪く飲用水の管理が悪い地域で、高頻度に発生しているのは、
  東アジアと南アジアのようです。
  これは、B型やC型が輸血などで感染するのに対し、E型は、感染した人の便中のウィルスに汚染され
  た水や氷、野菜や果物を通じて感染するからです。

  日本では海外からの帰国者が発病すると考えられてきましたが、近年、ウィルスに汚染された豚やイノ
  シシ、鹿の肉やレバーなどの内臓を生で食べることによって感染している実態が分ってきました。

  ウィルスに感染すると、平均6週間の潜伏期間後、急性肝炎を起こし、発熱、全身のだるさ、食欲不振、
  吐き気・おう吐などの症状が現れ、数日後に黄疸がみられます。

  症状が現れる感染は、15歳から40歳の若年成人に最もみられるようです。
  また、重症の場合は回復まで時間がかかります。妊婦では、通常より重症になる確率が高く、特に注意
  が必要です。

  E型肝炎に対しての特別な治療はなく、最も効果的なのは予防です。

  国内においての予防は、生肉を食べないことに尽きます。十分加熱調理してあるものを食べましょう。


  やはり、予防は治療に勝るですね。 

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殺菌効果が認められた病原性微生物①

  電話消毒薬の主成分の硫酸オキシキノリンによる殺菌効果が認められた病原性微生物

  黄色ブドウ球菌
 

  顕微鏡で観察すると、直径1μmの球形をした菌が集合して、ブドウの房状のように見えることから、
  この名前が付きました。培養したときに、黄色い毒素を出します。

  この細菌は、決して珍しい菌ではなく、おでき、にきびや、水虫等に存在する化膿性疾患の起因菌で、
  健康な人でも喉や鼻の中、手指などに高率で存在するといわれています。

  人だけでなく、動物にも存在しており、ごく身近にある細菌です。

  また、食中毒の原因菌としても有名であり、食べ物に付着し、食べ物の中で増殖するときにエンテロト
  キシンという毒素をつくり、この毒素が人に危害をおよぼします。

  菌自体は熱に弱いようですが、エンテロトキシン毒素が熱に強く、100℃で30分間加熱しても残ります。

  また、酸素のない状態でも増殖し、乾燥にも強く、多少の塩分があっても毒素を作ることが可能です。

  そして、酸に強いため、胃酸でも分解されず、胃や小腸で吸収され症状を引き起こします。


  潜伏期間は1~5時間で、食中毒の主症状は、吐き気、おう吐、腹痛です。

  過去には、黄色ブドウ球菌が原因で、1万3千人超の患者を出した集団食中毒事件が発生しています。

  この菌は、手指からの接触感染が主な原因です。
 

  食中毒予防には、「菌を付けない、菌を増やさない、殺菌する」が基本です。 

 

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