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2015年3月

キレート反応による殺菌作用

  電話消毒薬の主成分であります硫酸オキシキノリンは、「キレート反応」によって細菌を殺菌、ウイルス
  を不活化します。

  キレートという言葉は、ギリシャ語で「カニのはさみ」を意味しており、爪で金属イオンを挟むような構造を
  とることから「キレート反応」と呼ばれています。


  人間は多くの酵素を作るために、様々な微量金属を必要とします。
  そして、酵素は人間だけではなく、細菌等でも作られ、その酵素を作るために金属を必要とします。


  硫酸オキシキノリンは、キレート反応によって、細菌が酵素を作るためのその必須金属を奪って
  しま
うため、酵素を作ることができず死滅します。


  このキレート反応を利用したキレート剤が、品質保持を目的に化粧品や食品などにも配合されています。

  化粧品に使用されるキレート剤には、EDTA(エチレンジアミン四酢酸=エデト酸)やクエン酸などが
  あります。


  化粧品にキレート剤が配合される理由は、化粧品の成分に含まれている微量の金属が品質において
  邪魔をするため、EDTAを入れてその金属イオンを安定させることができるからです。

  また、これは電話消毒薬と同じで、EDTAは菌が生息するのに必要な金属を奪い取ってしまうことで
  菌の繁殖を抑える働きもあります。

  EDTAは、細菌の細胞壁の中にある金属イオンと結合して、細胞壁の外層を溶かすような働きをして、
  細菌を殺菌に導いているようです。


  このように電話消毒薬の作用は、硫酸オキシキノリンのキレート反応によって消毒の
  働きをし、一般的な消毒剤の作用とは違いますが、しっかりと働きをしてくれます。

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栄養補助ドリンクはお金の無駄?!

  日本では4月より、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品に続く機能性表示食品制度が始まり
  ますが、このほどカナダの大学の研究者らが、「ビタミンウォーターやエナジードリンクは健康に
  役立たない」という報告書を発表しておりました。


  その報告書は、カナダのトロント大学とライアーソン大学の栄養科学者が発表したものです。

  彼らが地元のスーパーに行って、栄養補助ドリンク類の中に入っている成分と、パッケージに謳わ
  れている効果を調べたところ、ビタミンウォーター、エナジードリンク、栄養添加ジュースのどれも
  ほとんどが、ビタミンB6、B12、ビタミンC、ナイアシンの成分が添加されていたそうです。

  パッケージには、“気分を改善させる”、“体にエネルギーを注入し、一晩で復活させる”などの新たな
  活力とエネルギーを得られるように書かれていたり、免疫サポートや抗酸化作用など特別な作用が
  あるように書かれているラベルもあったようです。


  しかし、研究者らは次のように述べています。

    「実際に謳われている効果の多くが栄養学に基づいておりません。

    「消費者は、これらの栄養添加物から、ほとんどあるいはまったく効果が得られないことが我々
     の調査結果で示唆されています。

  さらに、

    「これらの成分は、すでに多くの人が別の方法で1日の摂取量を十分満たしている。

  ということでした。


  この種の飲料の一番のターゲット層である若い人たちは、彼らのニーズに合致して、すでにこれらの
  飲料をたくさん飲んでいます。

  そのため研究者らは、「効果の見込めない栄養の過剰摂取の負荷、あるいは誤解させる表記など、
  消費者に対して注意喚起する対策が必要である」と述べています。


  食事は1日3食、バランスが大切です。バランスが良ければ十分に栄養が取れるはずです。

  過剰摂取には気をつけましょう!

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手洗い徹底で多くの命を救うことができる

  手洗いによって、どんな画期的な医療よりも患者の命を救うことができるという研究結果が、British
  Medical Journalで発表されています。

  その研究とは、2004年から英国の病院で徹底した『手洗い推進キャンペーン』が行われ、病院の
  スタッフと来院者に、患者に触れる前、食事をする前、トイレに行った後に、石鹸またはアルコール
  を使用して徹底した手洗いを注意喚起したものです。

  十分に働きかけるために、数千枚ものポスターをベッドサイドなどに張り出し、また確実に手が清潔
  になっているか定期的にチェックをしました。

  その結果、院内感染の原因となることが多いMRSAの病院内における感染率が半分以上に減少し、
  クロストリジウム・ディフィシルという感染症も大幅に減少したようです。


  MRSAの感染件数は、1990年代では年間たった100件だけだったものが、2003年から2004年
  にかけては、7,700件に激増しています。
  それが、この手洗いキャンペーンを開始してからは着実に減少し、2010年から2011年にかけては、
  年間1,481件に減少しました。2011年から2012年には1,114件となりました。


  研究を指導したシェルドン・ポール・ストーン氏は、手洗いという簡単な方法を院内スタッフに奨励した
  キャンペーンによって、約1万の命が救われたと推定しています。


  キャンペーン期間中に、病院が手洗い用に調達した石鹸と手指消毒アルコールは、1日の患者一人
  あたり、合わせて21.8mlから59.8mlになったことが分かりました。
  そして、石鹸の使用増加は、クロストリジウム・ディフィシル感染症の減少と比例し、手指消毒アルコール
  の使用増加は、MRSA症例の減少と関連していることも分かりました。


  このキャンペーンは2010年に終了し、その間のコストは50万ポンドを超えたということです。
  しかし、2000年代半ばには、MRSAによって約1,000人、クロストリジウム・ディフィシル感染症に
  よって約4,000人が毎年死亡しており、それらの感染症を発症した患者を治療するために、10億ポンド
  のコストが掛かっていることを考えれば安いものです。

  やはり、「罹る前に予防」の方が、体にも金銭的にも負担は掛からないですね。


  感染症予防の基本は手洗いです。病院においてこれだけの結果が出ています。
  事務所でも、自宅でもしっかり手洗いをして、衛生管理を徹底しましょう。

  電話消毒も衛生管理の一環です。

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シナモンマスクでインフルエンザ予防

  このほど、千葉大学医学部附属病院の和漢診療科長が香辛料のシナモンの成分を染み込ませた
  マスクを開発したことが、日経新聞に掲載されておりました。

  シナモン成分は、インフルエンザの予防効果の可能性があるようです。


  シナモンは世界で最も古くから使われていた香辛料の一つのようです。さまざまな料理やお菓子など
  に使われおり、日本では京都の銘菓「八つ橋」の香りといえば、あれもそうかと思われる方も多いので
  はないでしょうか。海外発のものでは、アップルパイなどが有名です。


  一般にはシナモンとして知られていますが、生薬では「桂皮」というものです。

  中国では、昔から薬用として用いられ、多くの漢方処方に配合されています。薬効は、免疫力の回復、
  胃腸機能の調整、血液循環の改善などの作用があります。そして、強壮・強精薬としても効果があり
  ます。

  また、シナモンで紹介されている用法では、コレステロール降下やダイエット、鎮痛などを期待して使用
  されています。
  さらに、酸化防止剤や抗菌剤の働きもあり、細菌増殖を遅らせる作用もありますが、この作用がインフル
  エンザの予防につながるのかもしれません。


  今回開発されたマスクの仕組みは、シナモンから抽出した成分をシートに染み込ませ、そのシートを鼻
  や口と接する部分に挟み込むようです。

  ただ最近の研究で、シナモンは過剰摂取の危険性が指摘されており、シナモンの香り成分の一つである
  クマリンという物質が過剰になると、肝障害が誘発されることが分かってきています。

  通常の料理などで使われるシナモンの量は少ないため心配はないということですが、シナモンを含む
  サプリメントには注意が必要なようです。

  このマスクは、人体に適切なシナモンの吸引量を計算し、試作を繰り返して完成させたもので、今後は
  着用後のアレルギーなどの副作用に関する詳細なデータを収集していくそうです。 

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