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2015年5月

 密封食品でも食中毒に注意を

  細菌にはいろいろなタイプがあり、酸素がない状態でも繁殖するタイプがあります。

  酸素のない状態で生息、もしくは酸素があると発育できない細菌を「偏性嫌気性菌」といい
  ます。酸素があると増殖が増す「通性嫌気性菌」と呼ばれるものもいます。


  偏性嫌気性菌の代表的なものは、ボツリヌス菌、破傷風菌、炭疽菌などです。

  その中でも、ボツリヌス菌は増殖する過程で猛毒の毒素を作り出し、命にかかわる食中毒の
  原因になることがあります。この毒素は、最強の自然毒素といわれているようです。


  ボツリヌス菌は、土壌や水中に広く生息していて、海や湖の泥に中にもおり、常に食品を
  汚染する危険性があります。

  酸素のない状態でも生息できるため、缶詰や瓶詰め、真空パックなどの密封食品でも、食品
  加工中の殺菌が不十分だと、食品中に細菌が繁殖し、食中毒の原因となってしまいます。

  また、まわりの環境が悪くなると、芽胞と呼ばれる堅い殻みたいなものを形成するため、熱
  や消毒薬に強い抵抗力を持ち、長時間煮沸しても死滅しないこともあります。
  ただし、ボツリヌス菌の毒素は、加熱により毒性を失います。


  ボツリヌス菌による大きな被害で問題となったのは、1984年に熊本県で製造された真空
  パックの「辛子レンコン」による食中毒です。このときは、36人が感染し11人が命を失
  いました。
  近年では、2012年に岩手県で製造された「あずきばっとう」を食べた鳥取県の方がボツ
  リヌス症を発症しています。

  食中毒の中でもボツリヌス菌によるものは非常に危険です。

  厚生労働省から、「真空パックなどで、膨張、異臭のある場合は、菌が繁殖している可能性
  があります。絶対食べないようにしましょう」と注意喚起がなされています。

  真空パックなどの密封食品でも常温で放置することはやめましょう。
  「要冷蔵」「10℃以下で保存してください」などの注意書きがある場合は、適切な保存
  に注意しましょう。

  
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 直接、言語で

  安部晋三首相が4月29日に行った、米国連邦議会上下両院合同会議での演説は、45分間に
  渡って英語で語りかけました。

  安部首相は、一生懸命に練習に練習を重ねて、この大舞台に臨んだそうです。
  そして自分の言葉にして語りかけました。


  この演説に対して、「カンペを見ていた」「発音が悪い」「時々つかえていた」などと否定的
  評価の意見もあるようですが、

  「今回、事前に原稿はハードコピーで聴衆に配られている。『間違いのない案内』ということ
   だけなら、議場でそれを配って終わりにしたほうがよかったというのだろうか。事前に内容
   は百も承知なのにもかかわらず、ベイナー下院議員などが太平洋戦争における硫黄島戦闘の
   くだりで感極まって泣いていた。それはなぜか。『言葉の力』なのである。」
                      (5月19日付Business Journalオンライン記事)


  発音をバカにされようが、練習を重ねて、自分の言葉で語った。これが、語りかける相手に対
  して気持ちが伝わる。大切なこと。


  「コミュニケーションは『直接、言語で』行うのが一番強力だ。それは政治家でも、経営者で
   も、だれでも同じだ。メールを送ったり、書類を配布したりすることは、情報を渡すことで
   はあるが、真の意味のコミュニケーションとはならないということをしっかり意識すべきで
   ある。」
                                   (同オンライン記事)

 

  私どもも、電話で直接会話することが大切だと考えます。

  いつも綺麗な、爽やかな電話機でコミュニケーションを

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 ペットボトルに細菌繁殖--電話も同じ

  これからの季節は、水分補給が大切になります。バックやカバンの中にペットボトル飲料を
  入れて持ち歩く機会が多くなりますね。
  500mlは結構な量ですので、いっきに飲み干す人は、なかなか居ないと思います。
  一口飲んでは、キャップをしてまた戻し、のどが渇いたらまた飲むを繰り返えします。


  ある記事によりますと、この行為は非常に問題があるということです。

  直接口をつけたペットボトル飲料には、口内細菌や食べかすの細菌、手に付着していた細菌
  が、ペットボトルの中に侵入し、時間とともにどんどん増殖するようです。
  そして、細菌が繁殖したその飲料を飲むということになってしまいます。


  細菌の中に病原菌が混在していれば、体に悪影響を及ぼすことになります。

  大腸菌が混入していれば、食中毒の危険があります。

  黄色ブドウ球菌が混入していれば、肌荒れやかゆみを引き起こす可能性があります。
  また大腸菌や黄色ブドウ球菌は、腸の不調も引き起こすとされ、代謝が悪くなり、老廃物も
  溜まり、肌荒れやニキビにもつながってしまいます。

  その他にも、カンジタ菌の繁殖が原因となり、口内炎などを引き起こす可能性もあります。


  多くの細菌は、気温10℃以上から繁殖が可能になり、30℃から40℃が一番繁殖力が
  高くなります。
  気温が高い日が徐々に多くなってきましたので、ペットボトル内に細菌が繁殖しやすい条件
  が整いつつあります。

  このように、ペットボトル飲料を直接口につけて飲む行為は、非常に問題があります。


  ペットボトル飲料と同様に、電話の送話口でも同じことが起こります。

  人の唾液や飲み食べかす、手垢など細菌が繁殖する条件が揃っています。

  ペットボトル飲料は消毒できませんが、電話機は消毒できます。

  何もしなければ、細菌は増え続けます。

  電話しょうどくで、安心な職場環境を!

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驚異的な増殖力があります

  北ノルウェー病院による調査で、固定電話と携帯電話の受話器に付着するばい菌は、15%の
  スピードで増殖するという結果が出ています。

  病原性微生物の多くは、条件させ揃えば、驚くほどのスピードで増殖します。

  細胞分裂を繰り返し、倍々ゲームで増えていきます。
  1個の細胞が初めの1時間では1回しか分裂しなくても、時間とともに分裂数がどんどん増え、
  24時間後には167万個以上にもなってしまうことがあります。

  細菌の種類により増殖の仕方は違いますが、倍加時間が短いと瞬く間に驚異的な数になるため、
  病原菌には早期に対応策を講じないと、症状を急速に悪化させたり、多数の人に感染してしま
  うことになります。

  例えば、「腸管出血性大腸菌O157」や「O111」は、大腸が増殖には最高の環境であり、
  大腸に届くと15分から20分で倍以上に増殖します。
  こちらも食中毒菌の一つで「腸炎ビブリオ」は、たった1個が3時間弱で100万個以上にな
  るようです。


  細菌増殖の3要素は、温度・水分・栄養です。

  温度は、30~40℃が最も増殖率が高く、10~60℃の範囲でも増殖します。

  水分も増殖には必要で、食中毒に関しては食品中の水分を利用します。電話機では、唾液の
  水分を利用します。これは、固定電話も携帯電話もスマートホンも同様です。

  栄養も人間と同じように必要で、食べ飲みちらかしや汚れが細菌にとっての栄養源になります。


  ちなみに、病原性微生物の中でも、ウイルスは細菌と違って自己増殖ができません。
  人間の体内に入り、細胞の中に侵入して初めて増殖ができます。
  そして一つの細胞の中で増殖し始めると飛び出して、また他の細胞へ入り込み爆発的に増殖し
  ます。

  ウイルスが怖いのは、少ない個数でも、非常に強い毒性によって発病、感染する可能性がある
  ことです。


  気温や湿度が上昇してくるこれからの季節は、病原性微生物の好む状況となってきます。

  感染症は、職場の生産性を確実に落とします。

  感染症に対する基本的な予防策は、まず清潔を保つことが大切です。

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