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2015年10月

 慢性的な呼吸器疾患のある小児は特に注意を

  今年の8月以降に、発熱などに伴い弛緩性麻痺を発症する子供が、約20の都道府県から報告
  されているということです。

  はっきりした原因は分かっておりませんが、一部の患者から「エンテロウイルスD68」が検出
  されており、関連が疑われています。


  国立感染症研究所の情報によると、
  東京都でも今年9月に、東京都立小児総合医療センターへ気管支喘息様症状による呼吸器障害
  で入院する患者が著しく増加し、その中で4名からエンテロウイルスD68が検出されました。


  昨年米国では、これまでにない規模のエンテロウイルスD68感染による重症呼吸器症が流行
  しました。
  2014年8月にミズーリ州とイリノイ州で流行し始め、2015年1月までに全米から
  1,100超の患者の報告がありましたが、実際は軽症で済んだ人も考慮すれば数百万人に広が
  った可能性があるといわれています。

  また報告のあった患者の大半が小児であり、多く子が喘息をもっていたようです。その中で、
  9名の弛緩性麻痺を発症した小児患者がいました。

  しかし現在のところ、エンテロウイルスD68感染と麻痺症状の因果関係は明らかになって
  いないようです。


  前述のように、エンテロウイルスD68感染で発症する多くは小児でありますが、小児でも
  成人でもほとんどの人は通常の風邪症状で済み、その後回復するようです。

  注意しなくてはならないのは、アレルギーや喘息などの慢性的な呼吸器疾患のある子供だと
  いうことです。
  米国においては、喘息の既往がある小児が、重度の呼吸器症状を呈する可能性があるとされて
  います。


  現在、エンテロウイルスD68感染に対する治療薬はないため、症状に応じた対症療法しか
  ありません。
  また、ワクチンもありませんので、他の呼吸器系疾患と同様に、うがいやマスクによる飛沫
  感染予防と、手洗いなどによる接触感染予防をしっかり行うことが大切です

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 除菌・不活化の対策に

  ノロウイルス、風邪、インフルエンザなど、これからの季節は、感染リスクが高まります。

  細菌やウイルスは肉眼では見えません。
  そこで、身の回りの細菌などの汚染状況を調査したものが、先日の日本経済新聞に掲載され
  ていました。

  調査対象が一人暮らしの住居のためか、トイレの便座や冷蔵庫のドアの持ち手は細菌が
  少なく、意外な結果でした。それよりも10倍ほど多かったところが、玄関ドアのノブで
  した。

  爆発的に繁殖していたのは、台ぶきんとお風呂の残り湯でした。どちらも一晩たつことで、
  何万倍にも増えていた調査結果となっています。


  台ぶきんは毎回漂白することが原則ということです。
  お風呂の残り湯は、洗濯時に使用するのは良いが、すすぎには使わないということでした。

  どちらも気をつけないと細菌の汚染範囲を広げてしまいます。
  細菌が増殖した台ぶきんでテーブルなどを拭けば、さらに汚染が広がります。
  汚染された残り湯から洗濯ものに広がって、臭いニオイのもとになります。  


  こちらの対策には、当社の「ぱいぷクリンW」が有効です。

  台ぶきんの消毒には、ふきんを水につけた桶にぱいぷクリンW1錠を入れれば、完璧に
  漂白、除菌されます。

  お風呂に入り終わった後、ぱいぷクリンW1~2錠を残り湯に入れておけば、除菌されて
  細菌の繁殖を防ぐことができます。また、ニオイ移りも防げます。


  また、例年10月後半から流行するノロウイルスの対処には、次亜塩素酸ナトリウムが
  必須です。
  消毒するものに応じて、200ppmあるいは1,000ppmの濃度に希釈した水溶液を使用
  します。

  ぱいぷクリンWの成分は、まさに次亜塩素酸ナトリウムです。
  形状が錠剤ですので、分量が分かりやすく、液だれもしないため、非常に使いやすい商品
  です。


  姉妹商品として、排水溝用の吊り下げタイプの「ぱいぷクリンS」もあります。
  排水溝も細菌が繁殖しやすい環境のため、大量の細菌によりヌメリやニオイが発生します。

  ぱいぷクリンSを吊り下げておくことで常に除菌されている状態となり、ヌメリやニオイ
  の発生を
防ぎます。
  100円ショップで売っている同種のものとは、ものが違うという評価を頂いています。


  ぱいぷクリンシリーズは当社の隠れた人気商品です。
  ぜひ、お試しください!

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 地球上で最初に誕生した生命は菌

  地球上での生命の起源はなぞが多いのですが、いろいろな分野の研究で、最初に誕生した生命
  は、嫌気性菌の形で誕生した「古細菌」ではないかとされています。

  今からおよそ30~35億年前に誕生したとされ、ものすごい歴史のある生命です。


  古細菌は、ウイルスや一般的な細菌とは別の生き物であると考えられています。

  古細菌には、火山など100度近い高温環境でも生きられる超好熱菌、高濃度の塩分の環境を
  好む高度好塩菌、メタンをつくるメタン生成菌などがいます。

  その中のメタン生成菌は、廃水処理において有機物の分解に利用されています。


  先日、高度好塩菌が認知症状に関与している疑いがあるという研究報告がされました。

  京都大学と鹿児島大学の研究チームが、2005年~2012年にかけて、認知症の発症の
  原因をつきとめるために調査をしていました。

  その調査によって、症状が進行している認知症患者の脊髄や脳に炎症が起きていることを見つ
  け、炎症が起きているところの組織片に核や細胞壁を持たない微生物が血管の周りに集まって
  いたことが分かりました。
  この微生物のDNAを調べると、古細菌の中の高度好塩菌と非常に似た配列が多数見つかり、
  形状などから古細菌と判断したということでした。

  従来、細菌とは違い、古細菌が病気の原因になるとは考えられていませんでしたので、様々な
  方面から注目されているようです。

  未だ原因がはっきりしない認知症について、解明していくための糸口となるかもしれません。
  もしかしたら、認知症も感染症の一つだったということになるかもしれません。


  ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村教授が発見した放線菌による成果といい、見えない
  微生物の奥深さに驚嘆させられます。


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 菌からクスリ

  北里大学の大村特別栄誉教授が、自然の微生物から感染症の薬となる物質を発見し、画期的な
  成果をあげたことで、「ノーベル生理学・医学賞」を受賞しました。

  開発した薬は、感染者の2割が失明するとされるオンコセルカ症や、足が肥大化するリンパ系
  フィラリア症の感染症対策薬として、劇的な威力を発揮しているそうです。

  大村教授は、土壌の中に生息する微生物の中から独自手法で膨大な数の放線菌を調べ、病原体
  微生物を退治する約50種類を抽出して、同時受賞をしたキャンベル氏らが感染症に非常に
  効果のある物質を出す放線菌の種類を明らかにしました。
  この放線菌は、静岡県内のゴルフ場近くで採取した土から見つけたそうです。


  放線菌と薬の関係は、約70年前に始まります。

  1944年、アメリカのワクスマンが、結核菌が増えるのを阻止する物質を放線菌から発見
  しました。この物質が“ストレプトマイシン”です。

  このときワクスマンは、微生物によって作られ、他の細菌やカビなどをやっつけてくれる物質
  を「抗生物質」と名付けました。
  それ以前に、人類が最初に手にした抗生物質として「ペニシリン」が発見されています。

  発見から8年後、この発見に対し、ワクスマンは大村教授と同じノーベル生理学・医学賞を
  受賞しています。


  ストレプトマイシンの発見をきっかけに、放線菌から数多くの抗生物質が発見されています。
  その中に、大村教授が発見した「エバーメクチン」もありました。

  今では、抗生物質の7割が放線菌からつくられています


  細菌やカビと聞くと、人間に悪影響を及ぼすものと思いがちですが、こうやって人類の役に
  立っている微生物がたくさんいます。肉眼では見えない世界の奥深さを感じます。


  ただし、感染症によっては、抗生物質を服用しすぎると必要な菌まで倒してしまい、抵抗力
  がなくなってしまう危険性があります。

  日本のような衛生状態の良い国では、なるべく抗生物質を服用する必要のないよう、いつも
  健康でいられるように心掛けましょう。

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 あいまいな基準

  先日、アメリカの国立心肺血液研究所が、最高血圧の基準値を120以下にするべきとの研究
  報告を発表しました。

  この研究は2010年から13年に、約9千人の50歳以上で血圧が高い人を対象に行われ、
  血圧を120以下に抑える治療をしたグループと、140以下に抑える治療をしたグループに
  分け、その後の経過を比較しました。

  その結果、120以下に抑えたグループの方が、心臓麻痺や心不全などの割合が3分の1に減り、
  死亡リスクは約25%少なかったということでした。
  そのため、心臓病のリスクを減らすには、最高血圧の基準を120以下にと提言しています。


  日本では、昨年4月に、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、高血圧の判定基準を最大
  が147以下に、最小が94以下にするとして話題になりました。

  しかし、この基準値の見直しに対して、高血圧学会が反論。高血圧学会の高血圧治療ガイドライン
  は、最大130未満、最小85未満としているためです。

  この混乱は日本医師会と日本医学会も巻き込み、基準値の捉え方の違いから異なった値になった
  と、判然としない結論となっているように思われます。


  前述のアメリカでの研究では、あくまでも高血圧の治療を受けている人を対象としているもので
  あり、日本で基準となっている値は年齢に関係なく一律に定められたものであり、疑問が残る基準
  に感じられます。


  日本の百寿者は、今年6万人を超えました。東京都内には302人の百寿者の方がおられるそう
  ですが、その中の約6割の方が高血圧を患っていたということです。

  加齢とともに血管が硬く、細くなっていくため、年齢に応じて血圧も適度に高い方が、血液の巡り
  が良くなるのでよいという話もあります。


  クスリを売りたい製薬会社、医師。医療費を抑えたい健康保険組合、国。それぞれの思惑が絡んで
  いるように思われ、高血圧だけでなく、コレステロールなどに関しても、正しい基準値の判別が
  つきにくい状況であります。


  確実なことは、暴飲暴食を避け、バランスのよい食事を取り、適度な運動を習慣にして、健康な
  体を保つことが一番ということですね。

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