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2016年10月

 梅毒も過去の病気ではありません

  近年、東京都における梅毒の患者数が増加傾向にあります。

  東京都感染症情報センターの発表によると、2016年の患者報告数は1,300人を超え1,400人
  に迫っています。
  2010年の患者数と比較すると、約7倍と激増しています。


  患者の割合は、現在でも男性が圧倒的に多いのですが、2014年あたりから女性の割合が増えてきて
  います。2015年は前年の3倍にまで増え、4人に1人が女性の患者になってきています。
  その中でも20代の女性患者が圧倒的に多い状況です。


  東京都でも、梅毒患者の増加を警告し、リーフレットを発行しています。


  梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによって感染しますが、原因となる
  のは、梅毒トレポネーマという細菌です。らせん形状で細い糸のような形をしています。

  この菌は、低酸素状態でしか長く生きられないため、感染者との粘膜の接触による感染がほとんどのよ
  うです。
  極めてまれに、たくさんの菌に汚染されたものを、傷のある手で触り感染した事例もあるようです。
  このような感染の場合を「後天梅毒」といいます。

  これとは別に、妊婦が梅毒に感染してしまい、胎盤をとおして胎児にまで感染してしまう場合を「先天
  梅毒」といいます。

  妊婦が感染した場合、ほぼ100%胎児にも感染するとされており、胎児が非常に危険なため、特に
  気をつけなければなりません。


  梅毒に感染しても、症状が出なかったり、一時的に症状が出ても治ってしまうことを繰り返し、気付か
  ないうちに病気は進行してしまうことが多くあります。
  その間、他の人にも感染を拡大させてしまうことになります。

  そして、進行していくと、合併症を起こしやすくなり、脳や心臓などに重大な障害が出ることがあります。

  現在、梅毒には有効な治療薬がありますが、非常に感染力が強く、感染して進行すると非常に怖い病気
  に変わりありません。
  また、免疫力はつかず、何度でも感染するおそれがあります。

  そして、胎児への影響を考えると、妊婦の方はぜったいに感染しないように気をつける必要があります。


  梅毒は恐ろしい病気だということを改めて認識し、思い当たることがある場合は、ぜひ検査をしてみま
  しょう。

  
                2016102811199.jpg (厚生労働省 啓発ポスター)

 世界の結核死者が180万人に

  世界保健機関(WHO)は、2016年版の「世界結核報告書」を公表しました。

  報告書よると、2015年の世界の結核患者数は1,040万人で、2014年の結核患者数960万人
  から急増しており、流行拡大が予想をはるかに上回っているということです。

  そして、2015年の結核による死者数は、推定で約180万人にのぼり、前年より30万人増加して
  います。
  ここ数年、減少傾向だったため、関係各所は衝撃を受けています。


  2015年の新たな結核罹患者数を国別で見ると、インドが284万人、インドネシアが102万人、
  中国が92万人、ナイジェリアが59万人、パキスタンが51万人、南アフリカが46万人の順で多い
  状況です。
  この6カ国で新たな罹患者の60%を占めています。

  さらに、既存の薬剤が効きにくい「多剤耐性結核」と診断された患者は約58万人に上っていて、その
  約50%がインド、中国、ロシアに固まっているようです。


  日本では、2015年の結核発病者が約1万8千人おり、1900人以上が死亡しています。
  年々減少はしているものの、いまだ人口10万人当たり10人以上の患者がいる「低まん延国」の状況
  です。
  実際、今年に入って、あちらこちらで結核の集団感染が発生しています。


  日本では「過去の病気」とみなされがちですが、世界に目を向けると、結核に関わる患者が増えている
  という状況です。
  世界の年間の新規患者の41%が治療を受けられていないとされていて、さらなる感染拡大につながっ
  ているといわれています。


  結核および結核対策に関する学術組織として設立された「国際結核肺疾患予防連合(International Union
  Against Tuberculosis and Lung Disease)」があります。
  肺の健康世界会議を毎年開催しており、結核や肺疾患などについて話し合われています。

  2017年には、日本で40数年ぶりに、アジア太平洋地域の学術大会が開催されるようです。


  結核に限らず、あらゆる感染症が世界中にまん延しやすい状況となっていますので、各国が協力し合い
  対策をうっていくことは非常に重要になってきていると思われます。

 

                20161021155551.jpg

 日本でも薬用石けん見直しへ

  アメリカにおいて、殺菌成分として使用されているトリクロサンなど19成分を含む薬用せっけんが
  販売禁止になることを受け、さっそく日本でも対応が取られました。

  厚生労働省は、トリクロサンなど19成分を含む製品について、1年以内に同成分を使用しないもの
  に切り替えるよう要請しました。


  アメリカ食品医薬品局(FDA)が、アメリカ内での販売を1年後に禁止する措置を発表したのが9月
  2日で、9月30日には厚生労働省が要請を行ったので、なかなか早い対応でした。


  要請を受けた製造販売業者は、早々と切り替えを決めていた企業が出るなど、要請を受け入れる方向
  のようです。


  昔からある有名な「薬用せっけんミューズ」は、トリクロカルバンが使用されており、製造販売会社
  は成分の見直しを決めましたが、切り替えるまでは従来どおり商品で販売を続けるということです。


  その他の製造販売会社も成分の切り替えを決めていますが、その製品が出るまでは従来品の販売を続
  けると思われます。


  しかし、FDAも推奨している、従来からある石けんと水でしっかり洗えば十分といわれており、
  新たに殺菌成分を加える必要があるのか疑問に思われます。

                  201610711924.pngのサムネイル画像

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