日本は結核の中まん延国
結核は、かつては不治の病と恐れられ、患者の死亡率が高かったのですが、現在は薬によって治るよう
になりました。
ただ、今でも毎年2万人以上の新しい患者が発生し、年間2千人以上が亡くなっており、結核は古くて新
しい病気といわれております。
厚生労働省によると、2013年に新しく結核を発病した人は2万495人で、その中で2,084人の人が亡
くなっています。
日本の人口10万人あたりの罹患率は16.1人で、他の先進国と比較すると、アメリカの約5倍、カナダ
やドイツと比較しても約3倍も罹患率が高い状況です。
世界保健機関(WHO)の分類では、日本は中まん延国に該当します。
結核は結核菌という細菌が体の中に入り、増えることによって起こる病気です。
日本では、約8割が肺結核です。結核菌が肺の中で増えて炎症が起こり、その後肺組織が破壊されて
いき、呼吸困難になります。
感染経路は、結核を発病している人が咳やくしゃみをすることで、空気中に菌の混ざったしぶきが 飛び
散り、その菌を周りの人が直接吸い込むことによって感染します。
ただし、吸い込まれた結核菌の大半は、鼻、のど、気管支などに付着し、体外に排出されるため感染し
ませんが、肺の一番奥まで侵入すると感染します。
また結核に感染しても必ず発病するわけではなく、通常は免疫力が結核菌を死滅させたり、封じ込め
たりして冬眠状態となり、一生発病しない場合も多いようです。
感染だけの状態では、周囲の人にうつす心配はないといわれています。
しかし、免疫力の弱い人は、半年から2年の内に発病することが多いとされています。
また免疫力が弱まり、冬眠状態であった結核菌が再び活動し始め、増殖が抑えきれなくなると発病し
てしまいます。
発病すると、他の人にうつす可能性が高くなります。
結核は風邪の症状に似ているため、受診が遅れる傾向があります。症状をよく見極めて、早期
受診を心掛けましょう。
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