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手洗い徹底で多くの命を救うことができる

  手洗いによって、どんな画期的な医療よりも患者の命を救うことができるという研究結果が、British
  Medical Journalで発表されています。

  その研究とは、2004年から英国の病院で徹底した『手洗い推進キャンペーン』が行われ、病院の
  スタッフと来院者に、患者に触れる前、食事をする前、トイレに行った後に、石鹸またはアルコール
  を使用して徹底した手洗いを注意喚起したものです。

  十分に働きかけるために、数千枚ものポスターをベッドサイドなどに張り出し、また確実に手が清潔
  になっているか定期的にチェックをしました。

  その結果、院内感染の原因となることが多いMRSAの病院内における感染率が半分以上に減少し、
  クロストリジウム・ディフィシルという感染症も大幅に減少したようです。


  MRSAの感染件数は、1990年代では年間たった100件だけだったものが、2003年から2004年
  にかけては、7,700件に激増しています。
  それが、この手洗いキャンペーンを開始してからは着実に減少し、2010年から2011年にかけては、
  年間1,481件に減少しました。2011年から2012年には1,114件となりました。


  研究を指導したシェルドン・ポール・ストーン氏は、手洗いという簡単な方法を院内スタッフに奨励した
  キャンペーンによって、約1万の命が救われたと推定しています。


  キャンペーン期間中に、病院が手洗い用に調達した石鹸と手指消毒アルコールは、1日の患者一人
  あたり、合わせて21.8mlから59.8mlになったことが分かりました。
  そして、石鹸の使用増加は、クロストリジウム・ディフィシル感染症の減少と比例し、手指消毒アルコール
  の使用増加は、MRSA症例の減少と関連していることも分かりました。


  このキャンペーンは2010年に終了し、その間のコストは50万ポンドを超えたということです。
  しかし、2000年代半ばには、MRSAによって約1,000人、クロストリジウム・ディフィシル感染症に
  よって約4,000人が毎年死亡しており、それらの感染症を発症した患者を治療するために、10億ポンド
  のコストが掛かっていることを考えれば安いものです。

  やはり、「罹る前に予防」の方が、体にも金銭的にも負担は掛からないですね。


  感染症予防の基本は手洗いです。病院においてこれだけの結果が出ています。
  事務所でも、自宅でもしっかり手洗いをして、衛生管理を徹底しましょう。

  電話消毒も衛生管理の一環です。

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