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キレート反応による殺菌作用

  電話消毒薬の主成分であります硫酸オキシキノリンは、「キレート反応」によって細菌を殺菌、ウイルス
  を不活化します。

  キレートという言葉は、ギリシャ語で「カニのはさみ」を意味しており、爪で金属イオンを挟むような構造を
  とることから「キレート反応」と呼ばれています。


  人間は多くの酵素を作るために、様々な微量金属を必要とします。
  そして、酵素は人間だけではなく、細菌等でも作られ、その酵素を作るために金属を必要とします。


  硫酸オキシキノリンは、キレート反応によって、細菌が酵素を作るためのその必須金属を奪って
  しま
うため、酵素を作ることができず死滅します。


  このキレート反応を利用したキレート剤が、品質保持を目的に化粧品や食品などにも配合されています。

  化粧品に使用されるキレート剤には、EDTA(エチレンジアミン四酢酸=エデト酸)やクエン酸などが
  あります。


  化粧品にキレート剤が配合される理由は、化粧品の成分に含まれている微量の金属が品質において
  邪魔をするため、EDTAを入れてその金属イオンを安定させることができるからです。

  また、これは電話消毒薬と同じで、EDTAは菌が生息するのに必要な金属を奪い取ってしまうことで
  菌の繁殖を抑える働きもあります。

  EDTAは、細菌の細胞壁の中にある金属イオンと結合して、細胞壁の外層を溶かすような働きをして、
  細菌を殺菌に導いているようです。


  このように電話消毒薬の作用は、硫酸オキシキノリンのキレート反応によって消毒の
  働きをし、一般的な消毒剤の作用とは違いますが、しっかりと働きをしてくれます。

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