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危惧される新興感染症

  O157(病原性大腸菌)による集団食中毒が各地で度々発生します。

  食中毒の原因になった大腸菌は、私たちの回りに常在するありふれた菌であり、腸内にも生息し、
  本来はそれほど毒性の強い菌ではありません。

  ところが、ある日突然、数千人を超える大量の感染者出す大腸菌が現れます。わずか100個程度
  でも発病の可能性がある極めて毒性の強い病原性大腸菌です。

  O157の他にも、O26、O111、O128などもあり、指定伝染病とされています。

  これらの毒素の強い病原性大腸菌は、人の腸内に存在せず、主に牛の腸管に潜伏しています。


  現代では、多くの感染症が予防・治療できる一方で、次々に新しい感染症も出現しています。
  これまで知られていなかった全く新しい病原体によって引き起こされる感染症を「新興感染症」
  といい、過去30年間、ほぼ毎年のように新たな病原菌が見つかっています。
  前述のO157もその一つです。

  他にもエイズ(HIV)やB型・C型肝炎、アメリカで発見され肺炎を引き起こすレジオネラ菌、
  イギリスで発生した狂牛病、中国から流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)などがあります。
  発見は1961年ですが、院内感染症で問題となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)も
  新興感染症の一つです。
  昨年から話題となっている致死率の高いエボラウイルスも同じです。


  O157もSARSのときも同様ですが、発生源の特定に時間がかかったり、感染経路が判らず、
  あっという間に感染拡大してしまう危険性
があり、人類がまだまだ非力であることを思い知らされ
  ます。


  こういった感染症は国レベルで危機管理の体制が取られますが、個人レベルでも、感染症に対応
  するために病原体や感染症に対する知識は持つことはとても重要です。

  危険から身を守る「予防」が大切です。

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