ストップ結核ジャパンアクションプラン
世界保健機関(WHO)が2006年に発表した「ストップ結核世界計画2006-2015」は
今年最終年となり、新たに2035年を最終目標とする世界戦略を発表しております。
世界の結核患者状況は、WHOの推定では、2012年に年間で新たに860万人が結核を
発病し、130万人が命を落としているとしています。また、多剤耐性となった結核による
患者は、毎年45万人が発病し、17万人が亡くなっているとしています。
WHOが今回採択した新たな世界戦略は、2025年までに結核による死亡の75%減少、
2035年目標として、結核による死亡の95%減少を掲げました。
日本においてもWHOの計画に伴って、厚生労働省、外務省、公益財団法人結核予防会など
が協力して策定した「ストップ結核ジャパンアクションプラン」を2008年に発表してお
り、今回もWHOの戦略の動きに合わせて改定しました。
改訂版では、初めて国内対策を明記しており、世界目標に呼応し官民挙げて、東京オリンピッ
クが開催される2020年までに、日本を低蔓延国(人口10万人当たりの結核患者数10人
以下)とするとしています。
低蔓延国を目標とするのは、日本が未だ中蔓延国のためです。
先進国の多くが、人口10万人当たりの結核患者数が10人以下であるのに対して、日本は
16.1人(2013年)と高く、1年間で2万人以上の人が結核患者数として新たに登録さ
れています。他先進国で高い国は、英国ぐらいで13人(2012年)となっています。
厚生労働省の集計によると、結核罹患率は地域差があり、首都圏、中京、近畿地域等での大
都市で高い傾向が続いているとしています。
大都市の罹患率は、高い順に大阪市(10万人当たり39.4人)、名古屋市(26.5人)、
堺市(26.4人)、神戸市(24.0人)、東京都特別区(22.5人)となっています。
また、症状が発現してから早期に受診する人の割合はやや改善しているようですが、働き盛
りの人で感染性のある結核患者の約3人に1人は、発現してから2ヶ月以上経過して受診し
ているのが現状です。
「結核は昔の病気」と思われがちですが、現状は世界でも日本でもまだまだ患者が
たくさん出ています。
いつもと違う、おかしいなと思ったら、早期受診を心掛けましょう。
電話消毒は、結核菌にも極めて有効な殺菌力があります。
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