驚異的な増殖力があります
北ノルウェー病院による調査で、固定電話と携帯電話の受話器に付着するばい菌は、15%の
スピードで増殖するという結果が出ています。
病原性微生物の多くは、条件させ揃えば、驚くほどのスピードで増殖します。
細胞分裂を繰り返し、倍々ゲームで増えていきます。
1個の細胞が初めの1時間では1回しか分裂しなくても、時間とともに分裂数がどんどん増え、
24時間後には167万個以上にもなってしまうことがあります。
細菌の種類により増殖の仕方は違いますが、倍加時間が短いと瞬く間に驚異的な数になるため、
病原菌には早期に対応策を講じないと、症状を急速に悪化させたり、多数の人に感染してしま
うことになります。
例えば、「腸管出血性大腸菌O157」や「O111」は、大腸が増殖には最高の環境であり、
大腸に届くと15分から20分で倍以上に増殖します。
こちらも食中毒菌の一つで「腸炎ビブリオ」は、たった1個が3時間弱で100万個以上にな
るようです。
細菌増殖の3要素は、温度・水分・栄養です。
温度は、30~40℃が最も増殖率が高く、10~60℃の範囲でも増殖します。
水分も増殖には必要で、食中毒に関しては食品中の水分を利用します。電話機では、唾液の
水分を利用します。これは、固定電話も携帯電話もスマートホンも同様です。
栄養も人間と同じように必要で、食べ飲みちらかしや汚れが細菌にとっての栄養源になります。
ちなみに、病原性微生物の中でも、ウイルスは細菌と違って自己増殖ができません。
人間の体内に入り、細胞の中に侵入して初めて増殖ができます。
そして一つの細胞の中で増殖し始めると飛び出して、また他の細胞へ入り込み爆発的に増殖し
ます。
ウイルスが怖いのは、少ない個数でも、非常に強い毒性によって発病、感染する可能性がある
ことです。
気温や湿度が上昇してくるこれからの季節は、病原性微生物の好む状況となってきます。
感染症は、職場の生産性を確実に落とします。
感染症に対する基本的な予防策は、まず清潔を保つことが大切です。
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.cleall.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/81