人獣共通感染症
ズーノーシスとは、人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)のことをいい、WHOは、
『人と脊髄動物との間に自然に行き来することのできる疾病および感染症』と定義しています。
ズーノーシスの代表的なものは、「狂犬病」です。
国内では、犬での発症は1956年が最後ですが、人での発症は2006年にあり、海外で
感染し帰国後発症しています。それ以前は1970年で、こちらも海外で感染しています。
日本では、前述の輸入感染があったぐらいで、狂犬病の発生はないといえますが、海外に目を
向けると、世界では年間5万人以上が死亡しており、そのうち3万人超がアジアであり、特に
インドは多くの感染が発生してます。
狂犬病の致死率は、発症するとほぼ100%であり、これまでに100万人以上の人が命を
落としている非常に恐ろしい感染症です。
狂犬病は、狂犬病ウイルスによって引き起こされ、名称は「狂犬病」ですが、犬だけでなく、
すべての動物から感染する可能性があります。
ただ、犬は人間にとって一番身近な存在であるため、もっとも注意が必要です。
ウイルスは感染動物の唾液に含まれ、哺乳動物に咬まれたり、傷口や口の粘膜を舐められたり
することで神経系の細胞に感染します。
日本では狂犬病予防法があり、犬を飼う場合には市区町村への登録と予防注射接種が義務付けら
れています。
しかし、2013年度において、登録頭数に対して予防注射接種率は72.6%となっており、
年々低下しているようです。
また、同法は犬に対してのみで、猫などは対象となっていません。
世界的に見れば、まだまだ猛威をふるっている地域がありますので、またいつウイルスが入り
込むか分かりません。
日本では危機感が薄れていることがリスクになっています。
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