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 結核11人に集団感染

  先日、茨城県の病院で結核の集団感染が発生しました。

  茨城県立中央病院に入院していた80代の女性が結核を発病し、この患者に接触した患者の家族と
  看護師ら11人にも感染、そのうち5人が発病しました。

  発病した5人は、患者の家族である50代の男性と20~40代の女性看護師4人でした。最初に結核
  を発病した80代の女性は、間質性肺炎で亡くなっています。

  感染ルートは分かっていませんが、亡くなった80代の女性がもともと保菌していたのかもしれません。

 

  結核は昔の病気と考えられがちですが、現在でも感染例はけっこうあります。

  国立感染症研究所のデータによると、2月15日の週だけでも全国で317件の感染報告があり、2016年
  の累計では2,708件の感染報告があります。

  また世界に目を向けると、2013年には900万人が結核に罹患し、150万人もの人が亡くなってい
  ます。
  結核は単一の感染症としては、HIV/AIDSに続き、世界で2番目に死亡者数が多い疾患となってい
  ます。

 

  結核は、「結核菌」という細菌が原因となって起こり、保菌者のシブキなどに含まれる結核菌を吸い
  込むことによって感染します。

  ただし、感染しても結核に対する免疫力が出来上がり、結核菌が抑え込まれるため、必ず発病する
  わけではありません。
  しかし、結核菌が居なくなったわけではなく、肺の中で休眠状態になっていて、保菌はしています。

  免疫力があるうちはこの状態が続きますが、体が弱るのを虎視眈々と狙っていて、免疫力が下がる
  ようなことがあると、結核菌が暴れ出し発病に至ります。


  発病すると結核は非常に怖い病気で、多くの場合、肺を侵します。侵すというのは、組織を殺して
  どろどろに溶かす腐った状態にしていきます。

  また肺だけではなく、リンパや血液の流れに乗って全身に菌が拡がり、あらゆる臓器を侵していき
  ます。
  肺以外に最も侵されることが多いのがリンパ節で、他にも多いのが骨や関節、腎臓です。
  さらに、脳にまで菌が達することがあり、結核性髄膜炎を引き起こします。

 

  結核に限らず感染症は、感染拡大をさせないことが大切です。
  そのためにも、早期発見・早期治療が重要で、かからないためにも、できる予防はしっかり行いま
  しょう。


  電話しょうどくは、結核が国民病と呼ばれた時代に、結核の感染拡大を防ぐ目的で、予防薬として
  注目されました。

  今では結核菌に限らず、他の感染症の原因となる細菌やウイルスにも効果があることが分かって
  います。
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