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 不活化ワクチン

  今年度のインフルエンザの流行は微減傾向にありますが、過去5年間の同時期と比較して、定点
  当たりの報告数はかなり多い状況が続いています。

  この報告数の中には、予防対策としてインフルエンザの予防接種を受けた人も、少なからず含まれ
  ています。予防接種を受けたとしても症状が軽くなるだけで、感染してしまうことがあるからです。


  感染症の予防接種に使用する薬液がワクチンです。ワクチンには、「生ワクチン」、「不活化ワクチン」、
  「トキソイド」の3種類のタイプがあり、インフルエンザのワクチンは、不活化ワクチンのタイプです。


  不活化ワクチンは、病原性(毒性)を取り除いたウイルスや細菌の一部で作ったものです。
  ウイルスや細菌の体の一部なので、自力で増殖することができないため、1回の接種だけでは十分
  な免疫ができず、数回の接種が必要となります。


  現在のインフルエンザのワクチンは、血液に入り込んで全身に広がろうとするウイルスに対して抑え
  る力があるといわれ、それによって重症化を防ぐことができるとされています。

  ただし、感染初期ののどでの増殖を抑えることができません。そのため、咳や熱の症状を引き起こし
  てしまいます。

  完全に発症を防ぐことはできないという点で、他の多くのワクチンとは違っているところです。


  不活化ワクチンには、日本脳炎、DTP-IPV四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ)、
  DTP三種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風)、DT二種混合(ジフテリア・破傷風)、A型肝炎、
  B型肝炎、肺炎球菌などがあります。


  ワクチンはどれも免疫力をつけるために接種するものですが、不活化ワクチンは年月とともに免疫力
  が弱まってしまいますので、ワクチンの性質に応じて追加の接種が必要となります。

 

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