結核などのワクチンとワクチン歴史
ワクチンには、前回の不活化ワクチンの他に生ワクチンとトキソイドがあります。
生ワクチンは、使用するウイルスや細菌は生きてはいるものの、そのウイルスや細菌の毒性を
弱めて発病しないぎいぎりのところまで抑えたものです。
病気に自然に感染した状態と同じように免疫が作られ、1回の接種で十分な免疫ができます。
病原性を弱くしたウイルスや細菌といっても、そのものを身体の中に入れますので、接種して
から1から3週間は、もともとの病気と同じような軽い症状がでることがあります。
生ワクチンの代表的なものに結核に対する「BCG」があります。
BCGを接種すると、人間に備わっている免疫シスムテムによって、体は結核菌を攻撃するT細胞
を作り出します。このT細胞が今後体内に入ってくる結核菌を排除してくれます。
他の生ワクチンには、はしか(麻しん)、風しん、おたふくかぜ、みずぼうそう、ロタウイルスなどが
あります。
トキソイドは、不活化ワクチンとほとんど同じようなものです。
細菌の出す毒素が免疫を作るのに重要なものもあり、そのような毒素の毒性を取り除いて、免疫
を作る能力だけにしたものです。
トキソイドには、ジフテリア、破傷風などに対するものがあります。
予防接種の考え方は、かなり昔からあり、非常に長い歴史があるといわれています。
現代のワクチンの礎を築いたといわれるのが、イギリス人医師のエドワード・ジェンナーです。
天然痘がもっとも恐れられていた当時、ジェンナーは、人間には毒性が弱いと分かった牛の天然痘
を人に感染させ、予防する方法を完成しました。1796年のことです。
それ以前には、1700年代前半のトルコでは、すでに軽度な症状の天然痘菌を直接接種する予防
方法を確立していたという記録が残されています。
但し、この時代は天然痘の原因が理論的には分かっていませんでした。
1800年代に入り、フランスの細菌学者のルイ・パスツールが病原体の培養を繰り返すことで毒性
を弱め、これによって免疫ができることを科学的に解明しました。
これが基盤となり、現代のワクチンにつながっています。
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