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 "はしか"の感染拡がる

  日本国内での「麻しん(はしか)」の患者が急増していることをうけ、国立感染症研究所は、8月25日
  に“麻しんに関する緊急情報”を発表し、警告しています。


  8月には、麻しんの集団感染に関わる出来事が相次ぎました。

  千葉県では、すでに発熱、発疹が出ていた19歳の男性が、8月14日に幕張メッセで開催されたコン
  サートに参加。その後、麻しんと診断され、他の参加者に感染した可能性があると問題になっています。
  この男性は、他にも東京や神奈川にも立ち寄っていますので、さらに感染拡大の恐れがあります。


  東京立川市では、8月26日に開かれたイベントに、麻しん患者が参加していたことが分かり、新たに
  麻しんの患者が増える可能性があると、注意を呼びかけています。


  また関西では、関西国際空港で麻しんの集団感染が発生しています。
  大阪府の発表によると、接客業務を担当していた従業員を中心に34人が感染したことが分かっている
  ということです。

  国立感染研究所の発表では、今年は特にアジアの国々に渡航暦のある患者の届出報告が目立つというこ
  となので、関西国際空港の集団感染は、それと関係しているのかもしれません。

  さらに9月8日には、兵庫県尼崎市の保育所の園児6人が麻しんに集団感染し、その他に中学生が感染
  したと発表されました。

 

  麻しんは非常に感染力が強く、さらに発疹がでる前の風邪の症状に似た時期の「カタル期」といわれる
  段階が最も感染力が強いことが分かっています。

  そのため、風邪かなと思っているときに、気付かないまま、他の人に感染させていまします。
  麻しんに免疫のない人が感染すると、ほぼ100%発症するといわれています。


  潜伏期間は、10日から12日とされており、症状が出る前に感染者は、さまざまなところで他の人に
  感染させてしまうことになります。
  先の幕張や立川のイベントでは、集団でいる状況のため、あっという間にウイルスが拡がり、それが
  さらにあらゆる場所でばら撒かれる可能性は十分にあります。

 

  世界では、2014年の麻しんによる死亡例は114,900件にのぼります。この中のほとんどは5歳
  未満の小児だということです。

  まだまだ、麻しんで亡くなる人は多いですが、麻しんワクチンの摂取率が上がったおかげで、2000年
  から比較すると、79%も減少しているということです。

 

  麻しんは、麻しんウイルスによるウイルス性疾患です。

  このウイルスは、空気中や物質の表面で最大2時間の活性があることが分かっています。

 

  今回、日本国内で集団感染が発生したということは、まだまだ感染しやすい人が多く残っているという
  ことです。

  麻しんウイルスに対する抗ウイルス治療薬はありませんので、予防対策をしっかり施していくことが
  大切です。

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