梅毒も過去の病気ではありません
近年、東京都における梅毒の患者数が増加傾向にあります。
東京都感染症情報センターの発表によると、2016年の患者報告数は1,300人を超え1,400人
に迫っています。
2010年の患者数と比較すると、約7倍と激増しています。
患者の割合は、現在でも男性が圧倒的に多いのですが、2014年あたりから女性の割合が増えてきて
います。2015年は前年の3倍にまで増え、4人に1人が女性の患者になってきています。
その中でも20代の女性患者が圧倒的に多い状況です。
東京都でも、梅毒患者の増加を警告し、リーフレットを発行しています。
梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによって感染しますが、原因となる
のは、梅毒トレポネーマという細菌です。らせん形状で細い糸のような形をしています。
この菌は、低酸素状態でしか長く生きられないため、感染者との粘膜の接触による感染がほとんどのよ
うです。
極めてまれに、たくさんの菌に汚染されたものを、傷のある手で触り感染した事例もあるようです。
このような感染の場合を「後天梅毒」といいます。
これとは別に、妊婦が梅毒に感染してしまい、胎盤をとおして胎児にまで感染してしまう場合を「先天
梅毒」といいます。
妊婦が感染した場合、ほぼ100%胎児にも感染するとされており、胎児が非常に危険なため、特に
気をつけなければなりません。
梅毒に感染しても、症状が出なかったり、一時的に症状が出ても治ってしまうことを繰り返し、気付か
ないうちに病気は進行してしまうことが多くあります。
その間、他の人にも感染を拡大させてしまうことになります。
そして、進行していくと、合併症を起こしやすくなり、脳や心臓などに重大な障害が出ることがあります。
現在、梅毒には有効な治療薬がありますが、非常に感染力が強く、感染して進行すると非常に怖い病気
に変わりありません。
また、免疫力はつかず、何度でも感染するおそれがあります。
そして、胎児への影響を考えると、妊婦の方はぜったいに感染しないように気をつける必要があります。
梅毒は恐ろしい病気だということを改めて認識し、思い当たることがある場合は、ぜひ検査をしてみま
しょう。
(厚生労働省 啓発ポスター)
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