カニ・エビから生まれる抗菌物質
キチンは、カニやエビ、シャコなどの甲殻類の殻や、貝、イカなどの軟骨、昆虫などの外殻に多く含
まれています。
実際は、甲殻類の殻からタンパク質などの成分を取り除いて精製されたものです。
キトサンは、キチンを原料に化学処理をして変化させた抗菌剤です。
キトサンの抗菌作用は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、MRSA、緑膿菌、肺炎桿菌などの細菌類に有効
なことが確認されています。
キトサンの抗菌作用のしくみは、細菌やウイルスのほとんどがマイナスの電気を帯びているため、
キトサンの持つプラス電荷に引き寄せられ、繁殖を防いでいます。
この抗菌作用を利用して、低温でのしょうゆやみその醸造や、野菜の浅漬けに加えて防腐、保存にも
役立てています。
また、抗菌防臭繊維にも使用されており、制菌素材として医療機関や介護施設などで使用される白衣
やシーツ、除菌ガーゼなどで活躍しています。
キトサンの入った肌着には、保湿と抗菌力があり、アトピー性皮膚炎に効果があるといわれています。
さらに抗菌作用以外にも、いろいろな用途に使用されています。
キチンは、人体への親和性が高く、細胞となじみがいいという性質を利用して、人口皮膚や手術用の
縫合糸などにも使われ、医療分野において欠かせない存在となっています。
他にも、土壌改良剤や工業排水、畜産・漁業用の飼料、汚水処理などにも使用されているようです。
水虫にも効くといわれており、直接塗布すれば効果があるそうです。
カニやエビは、古来から世界各地で食べられてきたものですので、キチン・キトサンは安全性が高い
抗菌性物質といえます。
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