桜餅の香りにも効能
前回は、柿の葉の効能についてでしたが、今回は葉続きで、「桜の葉」についてです。
“桜餅”に巻かれている、あの葉っぱです。
桜餅に使われる桜の葉は「ソメイヨシノ」の葉ではなく、関東以南に生育する「大島桜」が使われ
ています。
現在使われている葉のほとんどが、伊豆半島の松崎町で栽培され、全国に出荷されているようです。
桜餅の葉っぱは塩漬けにされたものです。塩漬けすることによって発酵し、酵素の作用によって、
あの桜の葉特有の香り成分「クマリン」が生じます。
クマリンは、抗酸化物質のポリフェノール・フェノール酸系に分類される香り成分です。
香料の原料や医薬品にも使われています。
クマリンには次のような効果があるとされています。
・抗菌作用
・血流を良くする作用(むくみの改善、代謝向上)
・更年期障害の改善(エストロゲン様ホルモン作用)
・抗血液凝固作用
ただし、クマリンには肝毒性があることが分かっておりますので、食べすぎはよくありません。
桜餅の老舗には、「桜の香りをお餅にうつし、香りを楽しむためのもの(乾燥を防ぐ役割も)」で
あって、食べずに剥がしてくださいというところもあるようです。
もちろん、食べても問題はないということが前提です。
実際、塩漬けによって生じるクマリンの量はわずかなようです。
東京では、向島の長命寺の桜餅が有名で、関西では道明寺です。
長命寺で売り出されたのが、江戸時代の享保とされています。
間もなく桜の季節ですから、江戸時代に生まれたクマリンの香りを楽しみながら、桜餅を食べて
みてはいかがですか。
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