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 薬の使い方が求められている

  結核は、依然として世界3大感染症の一角を占めています。

  先日、日経アジア感染症会議が開かれ、結核対策の課題を指摘する声も多かったようです。

  現状問題となっているのは薬剤耐性菌で、結核に対する主要な抗菌剤が効かないタイプが増えて
  いることが報告されたようです。

  中国の発表では、ここ10年強で有病率が半減したが、発症率は高い水準で、多剤耐性結核も流
  行しているということです。


  日本においても、結核は明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」「亡国病」と恐れら
  れ、命を落とす方が非常に多かった病気だったのですが、微生物学者のセルマン・ワックスマン
  が、1944年にカビからストレプトマイシンの作成に成功します。
  この抗生物質のおかげで劇的に状況が変わり、結核は治る病気となりました。

  ストレプトマイシンの後にも、次々と結核に対する抗生物質が開発され、「抗結核薬」として広
  く認められているものは、10種類を超えています。


  結核菌は非常に生命力の強い菌のため、しっかり最後まで薬を飲み続けないと、ぶり返してしま
  います。その間に薬に対する耐性を獲得してしまうこともあり、現在2種類以上の薬を併用する
  のが鉄則となっています。


  それでも、新たな多剤耐性菌が出現していることが問題となっており、これに立ち向かおうと、
  2014年、大塚製薬が多剤耐性の結核治療薬を発売しました。
  抗結核薬としては約40年ぶりの新薬となり、話題となりました。

  この治療薬は、結核菌の細胞壁の合成を阻害する新たな作用を持っており、すでに世界抗結核薬
  基金を通じて、世界45カ国で使われているということです。

 

  近年、抗菌剤の無駄な多用により耐性菌が増えていることが問題となっており、先月、厚生労働
  省は、「不必要な抗菌薬を減らす」ための医療関係者向けの手引きをまとめました。

  結核には抗菌剤が有効ですが、いずれにしても、いろいろな面で正確に慎重に正しく医薬品を使
  うことが求められています。

  

 

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