リケッチアもあります
リケッチアという病原体らしからぬ名前の細菌がいます。
リケッチアは、生きた細胞内で増殖する特殊な小さな細菌です。
もともと野山に生息するダニやツツガムシなどの節足動物に寄生しており、それらに刺される
と感染します。
リケッチアが原因の感染症は、「ツツガムシ病」と「日本紅斑熱」が主なものです。
ツツガムシ病は、ツツガムシという小さなダニの幼虫が媒介し、日本紅斑熱は、マダニが媒介
します。
マダニについては、マダニが媒介するウイルスによる感染症で死者が出たことが話題になって
います。
この感染症は、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)で、2011年に中国の研究者らによっ
て発表された新しいウイルスによるダニ媒介性感染症です。
リケッチアは、1907年にアメリカの科学者が発表しており、その科学者の名にちなんで命名
されました。
ツツガムシ病も日本紅斑熱も潜伏期間を経て、40℃前後の高熱、発疹、倦怠感の症状が現れ
ます。
両方とも「刺し口」と呼ばれる中心が黒いかさぶたのようなものができ、それで気付くことも
あるようです。
ウイルスに似て生きた細胞に侵入しなければ増殖できない性質ですが、細胞としての装備を備
えた細菌であるため、抗生物質で治すことができますが、この感染症に気付かずに診断・治療
が遅れて、死に至ったケースもあります。
毎年の感染者数は意外と多く、ツツガムシ病は2016年には500人を超えています。
日本紅斑病は例年200~300人程度で推移しています。
野山でダニに刺されたからといって、必ずリケッチア症になるわけではありません。
過度に心配する必要はありませんが、野外で行動する場合は、必要以上に肌を露出しないこと
と、野生動物の死骸などにできるだけ触れないことなどして注意しましょう。
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