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 悪い麹菌

  まだまだ高温で湿度の高い日々が続いており、カビが繁殖しやすい時期です。


  カビは、基本的に人にとって良くないものですが、役に立つカビもあります。

  代表的なものは、麹カビです。麹菌とも呼ばれ、しょうゆ・味噌・酒類などに利用されてきま
  した。

  麹カビは、学名「アスペルギルス」と呼ばれ、しょうゆなどの発酵食品に利用される菌なども
  含めて、アスペルギルスには現在200種類以上が知られています。


  その中でも、「アスペルギルス・オリゼー」は、醸造に欠かすことのできない麹菌で、清酒や
  味噌に使用される麹菌は、すべてこのアスペルギルス・オリゼーです。
  分解能力が非常に優れており、みりん、お酢、甘酒もこの麹菌が利用されます。


  しょうゆづくりに使われる麹菌は、「アスペルギルス・ソーエ」と呼ばれる麹菌で、タンパク
  質の分解に優れているようです

 

  但しアスペルギルスの中でも、人に有害な麹カビもあります。

  仲間の「アスペルギルス・フラバス」は、「アフラトキシン」という発がん性のカビ毒素をつ
  くる麹カビで、要注意なカビです。


  アフラトキシンには、アフラトキシンB1、B2、G1など数種類がありますが、その中の
  B1は、天然物でもっとも強力な発ガン物質といわれています。


  アフラトキシンをつくるカビが発生しやすいものは、トウモロコシ、落花生、豆類、香辛料、
  木の実類と、その加工食品です。大豆、小麦、米などの穀類及びその加工品にも、発生する
  こともあります。

  アフラトキシンは、熱に非常に強いことも厄介なところです。


  アフラトキシンを大量に摂取すると、急性の肝障害を起こします。インドやケニヤで集団中毒
  が発生し、多くの人が亡くなっています。
  ケニヤの集団中毒は、湿気の多い環境下でトウモロコシを保存し、その間にカビが発生し、
  アフラトキシンに汚染されたと考えられています。

  少量を長期間摂取した場合は、肝がん発生の可能性が高くなるとされています。


  現在までのところ、国産食品で規制値以上のアフラトキシンが確認されたことはないとされ、
  輸入食品に注意が必要とされています。

  とはいえ、カビが発生している食物を口にするのは体によくありませんので、カビが生えて
  ないかよく見て食べましょう。

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