寒さに強く 暑さに弱い O157
病原性大腸菌「O157」による被害のニュースを頻繁に出てきています。
10月に入って、前橋市の40代の男性がO157に感染し、その毒素の影響で溶血性尿毒症
症候群により死亡したニュースがありました。
感染経路を調べていますが判明していないようです。
8月には、埼玉県と群馬県で販売された惣菜店の商品が原因とみられるO157の集団感染が
発生し、その中の3歳の女児が命を落としてしまいました。
こちらの感染経路は、当初加工場から出荷されたポテトサラダが疑われておりましたが、未だ
特定されておりません。
亡くなった女の子は、その惣菜店の加熱調理された食品だけを食べており、そうなると調理後
に汚染され可能性が高く、取り分けするトングかを介して別の食品から移ったのでないかとい
われておりますが、はっきりとはしていません。
ほとんどの大腸菌に害はありませんが、現在、唯一4種類の大腸菌は、人間の体に害のあるこ
とが確認されており、その中の一つのO157が含まれるのが「腸管出血性大腸菌」です。
ベロ毒素という物質を出すことから、「ベロ毒素産生性大腸菌」とも呼ばれます。
このベロ毒素は、40代の男性感染者の死因となった溶血性尿毒症症候群や脳症を引き起こし
重症化させる強力な毒素です。
ただし、重症化するのはまれで、成人では感染しても、無症状だったり、軽い下痢で終わるこ
とも少なくないようです。
また激しい腹痛を伴った下痢症状になっても、5~10日前後で治ることがほとんどのようで
す。
注意しなくてはいけないことは、症状が軽かったり、出なくなったあとでも、便に混じって菌
が排出されているということです。
気をつけていないと、回りに感染を拡大させてしまいます。
O157は、主に牛や豚などの家畜の大腸をすみかとしていますが、水の中や土の中でも数週
間から数ヶ月間生きていられるといわれます。
また、低温に強いため冷蔵庫内でも生きることができ、さらに、酸にも強いため、胃酸の攻撃
に耐え、腸までたどり着いてしまいます。
ただし、熱に弱く、75℃で1分間加熱すれば死滅しますので、感染を予防するために、加熱
して調理する食品は、しっかり火がとおるように十分に加熱することが大切です。
また、手洗いは予防の基本中の基本です。
トイレで用を足した後に手を洗わない人が意外と多くいます。その手で、あちこち触られたら
堪ったものではありません。
トイレでスマートフォンをいじるというのも、大腸菌が付着する可能性があります。
トイレで用を足した後や外出から帰ってきたときはもちろんのこと、調理前や食事前にはしっ
かり石けんで手洗いをしましょう。
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