ワサビも欠かせません
お刺身のつまに欠かせないシソの他に、これもまたお刺身やお寿司に欠かせないものにワサビ
があります。
実はワサビも薬味の役目だけでなく、優れた抗菌性があることが分かっております。
ワサビは日本原産の香辛野菜で、魚を生で食べる日本文化に根ざした香辛料の一つといえます。
あの独特の香りの辛味成分に抗菌効果があります。
辛味成分は揮発性の「アリルからし油(アリルイソチオシアネート)」で、ワサビの細胞が
すりおろしなどにより物理的に破壊されると、ワサビに含まれる酵素の働きでアリルからし油
が生成されます。
アリルからし油の抗菌力は高く、病原性大腸菌O-157や黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌
などに有効なことが分かっています。
また、カビの繁殖を抑制したり、魚の生臭さの発生を抑制する能力があることも分かっていま
す。
さらに、一時期問題になったサバやサケ、イワシなどに寄生するアニサキスや他の寄生虫に対
して活動を抑制する効果があるそうです。
血栓予防やガン予防など身体に良い効果もあるといわれております。
アリルからし油は、液状のときより、気化した状態で接触させた方が高い抗菌能力を示すこと
が分かっています。
この現象を利用して、弁当の中の仕切りに使われている緑色の葉っぱに模したものは、ワサビ
の成分でコーティングされており、細菌の繁殖防止のために入っています。
駅弁などのフタの内側にかぶせてある薄いシートにも、ワサビ成分が混ぜて抗菌シートになっ
ており、細菌の繁殖を防ぐ役割があります。
ちなみに、ワサビの製品パッケージには「本わさび」、「生わさび」など表記の違いがありま
す。
これらはネーミングの違いだけで、重要なのはワサビの種類の使用量です。
本ワサビは前述した日本原産のもので、西洋ワサビはヨーロッパ原産のものです。
大体は両方を混合して販売されています。本ワサビが50%以上使用されているものを「本わ
さび使用」、50%未満のものを「本わさび入り」と表示する決まりがあり、本ワサビの表記
がなければ、西洋ワサビが100%ということになります。
本ワサビ100%という商品もありますが、実際には添加物が入っているため、完全に100%
とはいえないようです。
本来は生のワサビを下ろしたものが生ワサビといえますが、チューブの生わさびと表示されて
いるものは、粉ワサビとは違うということアピールしたいがためのようです。
抗菌力が一番高いのは、本ワサビ100%のようです。
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