結核に関する初の国連ハイレベル首脳級会合
今週9月26日に、アメリカ・ニューヨークで国連総会において、初めて結核に関するハイレベル
首脳級会合が開かれました。
結核は世界でもっとも多くの命を奪う感染症で、毎日4,500人の命が奪われているとされ、
HIVやマラリアを優に凌ぐ感染症死亡原因とされており、世界全体で対策を講じています。
2014年5月は世界保健機関(WHO)が世界結核戦略及び目標(結核終息戦略)を採択、2015年
9月には国連加盟国が持続可能な開発目標SDGsを採択、2015年11月には、WHOの結核終息
戦略の5ヵ年計画として、結核制圧のためのグローバルプラン2016-2020を策定し取り組んでい
ます。
これらの施策のもと各国が結核撲滅に取り組んでいますが、今月18日のWHOの発表によりますと、
2017年に世界で新たに結核と診断された患者は推定1,000万人に、死者数は推定160万人に
なったということです。
また主要な薬が効かない多剤耐性結核の患者は推定56万人弱になったということです。
国連の持続可能な開発目標SDGsの中の、2030年までに結核による死亡者数を90%減少、
罹患率を80%減少させるという目標の達成がこのままでは難しいため、今回のハイレベル会合
につながりました。
昨年11月には、その前段階となる閣僚級の第1回WHO結核に関する会合が開かれ、世界中から
120人の閣僚や保健リーダーなどが集結し、結核の終息に向け努力を強化する「モスクワ宣言」
を約束しています
2017年で新規患者数が多いのは、インドがトップで274万人、中国が89万人、インドネシア
が84万人、フィリピンが58万人と続いています。
日本の2016年における新規患者数はおよそ1万8千人で、死者数は1,900人です。人口10万人
あたりの患者数は13.9人となり、未だ中まん延国の仲間です。低まん延国となるのはまだまだ
厳しいようです。
結核は世界十大死因に入り、死者数が最も多い感染症です。一時期はHIVによる死者数が多かっ
たのですが、抗HIV薬が開発され、死者数がかなり減少しました。
結核も減少傾向であるとはいえ、まだこのような状況であるため、もっと国際社会の関心を高め、
資金を拠出してもらい対策を強化していこうというのが、今回のハイレベル会合のねらいです。
会合では、2022年までに感染の恐れが高い4,000万人を対象に、検査と治療を行うことを柱とす
る政治宣言が採択され、2022年までに新薬やワクチンなどの研究開発に現状のおよそ3倍の年
20億ドル(約2,250億円)、感染者の発見と検査および治療などの対策に現状の2倍の年130
億ドル(約1兆4,600億円)を投入するということです。
2030年までに結核患者を8割減らし、2050年までの根絶を目指します。
当社の電話消毒薬は、結核の予防の医薬品として拡大、活躍しています。
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