劇症型溶血性レンサ球菌感染症
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、溶血性レンサ球菌が原因の疾患であります。
溶血性レンサ球菌は、A群、B群、C群などがありますが、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、主に
A群溶血性レンサ球菌により引き起こされるようです。
一般的にはA群溶血性レンサ球菌感染による疾患は咽頭炎であり、その多くは小児が発症しますが、
何らかで原因で菌が血液の中に入ったり、傷口から菌が深く侵入したりすると、劇症型に変わる場合
があるようです。
劇症型になると突発的に発症し、四肢の疼痛・腫脹・発熱・血圧低下などの初期症状の後、急激に
病状が進行し敗血症を起こし、手足の壊死や急性腎不全、多臓器不全などを併発します。
手足を壊死させてしまうことから、「人食いバクテリア」と言われたこともあるようです。
発症した人のうち約30%が死亡する、非常に致死率の高い感染症です。
A群溶血性レンサ球菌に感染した人の中で劇症型を発症する人は限られており、多くは30歳以上の
大人ですが、ほとんどは咽頭感染あるいは皮膚感染のみで、全く発症しない人もいるようです。
ただし国立感染症研究所のデータによると、近年は増加傾向にあり、全体数は少ないのですが、この
3年の間は200人を超える年が続いています。
患者の中心は60歳台で、比較的高齢者が多いようです。
がんや糖尿病のような基礎疾患を持つ方や、ステロイドなどの免疫を低下させる薬剤を使用している
方は発症する危険性が高いとされています。
感染経路は不明な場合が多く、感染から発症までの潜伏期間も明確ではありません。
予防のポイントとして、A型溶血性レンサ球菌感染症に罹患しないようにすることです。
うがい・手洗い、マスク等が有効とされています。
電話消毒薬の有効成分は、溶血性レンサ球菌にも殺菌効果があります。
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