2015年12月
年末年始休業のお知らせ
いつも有難うございます。
誠に勝手ながら、2015年12月27日(日)から2016年1月4日(月)まで、年末年始休業とさせて
いただきます。
1月5日(火)から平常どおり営業致します。
ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
RSウイルス感染症も未だ流行中
愛知県の幼稚園児らの食中毒集団感染など、ノロウイルスの流行が話題になっておりますが、9月
初めより流行が拡大し始めましたRSウイルスも、現在も患者数が高止まりしており、東京都では
1定点あたり1.25人前後で推移しています。
全国の患者数は、国立感染症研究所の発表では、11月中旬で6,500人を超えており、医療機関に
行かない人を含めれば、もっと多くの感染者がいると思われます。
11月下旬において、都道府県別での患者数が最も多かったのは、大阪府で724人。その後、北海道
(392人)、愛知県(355人)、東京都(310人)と続いています。
大阪府は、前調査期間より特に増加しています。
例年、RSウイルス感染症の流行期間は、11月~1月ですが、今期は早い段階から拡大しました。
RSウイルス感染症の症状は、成人においては軽い風邪程度の症状ですみますが、乳幼児期において、
初めて感染発症した場合は、細気管支炎や肺炎といった重篤な症状が出る可能性が高まります。
生後2歳までに感染する確立は、ほぼ100%とされておりますので、感染してしまった場合には特に
注意が必要です。
RSウイルス感染症は、1度かかっても何度でも感染し発病する感染症です。大人になっても再感染
を繰り返しますので、家族内でも感染率が高いことが明らかになっています。
感染経路は、くしゃみや咳によって発生する飛沫を介しての飛沫感染と、感染している人に直接触れ
たり、ウイルスで汚染されたドアノブや手すりなどの物品を介して感染する接触感染とされております。
予防対策は、飛沫感染対策としてマスクを着用し、接触感染対策としては、こまめな手洗いと、
身の回りの消毒が基本的な予防方法です。
電話しょうどく・パソコンしょうどくも、リスク軽減のための予防対策です。
新たな感染症の大半がズーノーシス
人獣共通感染症(ズーノーシス)と聞いても、あまり馴染みのない感染症に思われますが、世界で200
種類以上あるとされます。
近年のエボラ出血熱や腸管出血性大腸菌O-157感染症、SARS、BSEなどもズーノーシスの一種で、
新たに発見される感染症の大半をズーノシスが占めるといいます。
その中でも身近な存在として、ペットの犬や猫から感染するズーノーシスがあります。
前回の「狂犬病」が代表的で、新しいものでは、ペットの“かみつき”や“引っかき”によって感染する
「カプノサイトファーガ感染症」、「猫ひっかき病」、「パスツレラ症」、病原菌の吸入によって感染する
「Q熱」などがあります。
カプトサイトファーガ感染症は、カプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌を原因とする感染症で、
犬や猫の口腔内に常在し、咬まれたり引っかかれたりして感染します。
免疫力が低下している人が重症化しやすく、重症化した場合、その症状によっては約30%の致死率と
なっています。
猫ひっかき病は、バルトネラ・ヘンセレという細菌によって引き起こされます。病名どおり猫にひっかかれて
感染し、10日後頃にリンパ節炎を発症します。
日本の猫では、10%前後が菌を保有しているといわれます。
パスツレラ症は、パスツレラ菌による感染症で、この菌も犬や猫の口腔内に常在しています。保有率は
非常に高いといわれています。
発症すると、呼吸器疾患や皮膚疾患の症状が表れます。
Q熱は、コクシエラバーネティーという小桿菌による感染症です。
1935年にオーストラリアでこの感染症が流行した際、当時は原因不明の熱性疾患だったことから、
不明熱(Query Fever)として、Q熱となりました。
感染源は主に家畜やペットで、自然界では多くの動物やダニまでも保菌しており、非常に身近に存在
します。
Q熱を発症すると、気管支炎や肺炎などの呼吸器疾患を患います。その他、発熱や頭痛、関節痛など
インフルエンザのような症状が表れます。
これらの他にも、寄生虫が人の体内に侵入して感染する感染症もあります。
動物と共生する上で、必要以上に不安を感じる必要はありませんが、正しい情報を知り、適切に対処
することは必要です。
人獣共通感染症
ズーノーシスとは、人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)のことをいい、WHOは、
『人と脊髄動物との間に自然に行き来することのできる疾病および感染症』と定義しています。
ズーノーシスの代表的なものは、「狂犬病」です。
国内では、犬での発症は1956年が最後ですが、人での発症は2006年にあり、海外で
感染し帰国後発症しています。それ以前は1970年で、こちらも海外で感染しています。
日本では、前述の輸入感染があったぐらいで、狂犬病の発生はないといえますが、海外に目を
向けると、世界では年間5万人以上が死亡しており、そのうち3万人超がアジアであり、特に
インドは多くの感染が発生してます。
狂犬病の致死率は、発症するとほぼ100%であり、これまでに100万人以上の人が命を
落としている非常に恐ろしい感染症です。
狂犬病は、狂犬病ウイルスによって引き起こされ、名称は「狂犬病」ですが、犬だけでなく、
すべての動物から感染する可能性があります。
ただ、犬は人間にとって一番身近な存在であるため、もっとも注意が必要です。
ウイルスは感染動物の唾液に含まれ、哺乳動物に咬まれたり、傷口や口の粘膜を舐められたり
することで神経系の細胞に感染します。
日本では狂犬病予防法があり、犬を飼う場合には市区町村への登録と予防注射接種が義務付けら
れています。
しかし、2013年度において、登録頭数に対して予防注射接種率は72.6%となっており、
年々低下しているようです。
また、同法は犬に対してのみで、猫などは対象となっていません。
世界的に見れば、まだまだ猛威をふるっている地域がありますので、またいつウイルスが入り
込むか分かりません。
日本では危機感が薄れていることがリスクになっています。