2018年8月
耐性菌アシネトバクターも予防が大切
鹿児島大病院で、2016年9月~今年4月に多剤耐性細菌のアシネトバクターが患者15人から
検出されていたことがわかったニュースがありました。
15人のうち8人が死亡しており、その中の4人が細菌による感染症を発症していたようです。
ただし、アシネトバクターが直接的な原因で死亡したかどうかははっきりしていません。
アシネトバクターは、普通にあちこちに生息している菌であり、土壌や水、健康な人の皮膚にも付
着しているようです。
体力や免疫力の問題のない人には無害ですが、細菌感染症に対する免疫力が弱まっている人は感染
する確率が高くなり、肺炎や敗血症などを引き起こすということです。
そのため、体力、免疫力の弱まっている病院の集中治療室の患者や重症患者への感染が多く、医療
機関の外での感染は滅多にないようです。
これまでの多剤耐性アシネトバクターの集団感染事例は、2008年に福岡大学病院で23名が感
染、その後愛知県の藤田保健衛生大学病院や帝京大学病院でも集団感染が発生しています。
問題は、アシネトバクター感染症に対して、抗生物質が効かない多剤耐性質が出現しており、その
場合治療が難しいという点です。
2009年にアメリカから千葉県の病院に転院してきた患者は、治療していても一向によくならな
いため調べたところ、既存の抗生物質に耐性のあるアシネトバクターであることが分かりました。
その頃、イラクやアフガニスタンへ派遣され、傷を負ったアメリカ軍などの兵士がアシネトバクター
に感染し、多剤耐性質のために治療しても回復せず多数の死者が出ています。致死率が75%にも
なったといわれています。
またアシネトバクターは、乾燥にも強く物質の表面でも数日間は生存可能で、黄色ブドウ球菌と同
等あるいはそれ以上の生存力があるとされています。
ある小児科集中治療室でも調査では、医療器具をはじめ、電話機受話器やキーボード、インターホ
ン、ドアノブなどあらゆる箇所でアシネトバクターが検出されたそうです。
治療薬がない多剤耐性菌には、やはり予防が重要になってきます。
予防の基本は、しっかり手洗いをすることです。
また使用する物品の衛生管理をしっかり行い、定期的に消毒することも大切です。
夏季休業のご案内
いつも有難うございます。
誠に勝手ながら、2018年8月11日(土)から8月15日(水)まで、夏季休業とさせて頂きます。
8月16日(木)から平常どおり営業致します。
休業期間中に頂きましたお問合せにつきましては、8月16日(木)より順次対応させて頂きます。
ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
キッチン周りの除菌実験2
東京都福祉保健局の「くらしに役立つ食品衛生情報」の台所周りの除菌実験の続きです。
フキンの除菌実験と同様に、まな板の除菌実験も公開されています。
木製のまな板と合成樹脂製のまな板にO157の菌液をかけ、5種類の除菌方法で実験を行ってい
ます。
まずは70℃と90℃のお湯をかけた場合、フキン同様にすぐに除菌されています。これは木製も
合成樹脂製も変わりません。
70%のアルコール除菌も同様の効果がありました。
問題は、意外と漂白剤でした。
酸素系漂白剤も塩素系漂白剤(200ppm)も、木製のまな板では完全に除菌ができていません。
塩素系が除菌では最強かと思いましたが、木製には効果が薄かったです。
合成樹脂製は、すべての実験でしっかり除菌されており、清潔性が確かめられた格好です。
まな板は直接食品が接します。肉や魚から、サラダ用の野菜、加熱済みの食品まで様々な食品が
まな板を介して接触する形になるので、他の食品を汚染して起こる食中毒が後をたたないという
ことです。それだけに、洗浄と殺菌は大切だといっています。
まな板は古くなってくると、どうしても包丁傷がついてきて、その傷の中で細菌が繁殖しやすく、
傷の奥の汚れや細菌を取り除くことが一番重要なことということです。
正しいまな板の洗い方は次のとおり書かれています。
①洗剤をつけて清潔なたわしでよくこすり、傷に入り込んだ汚れなどを取り除く。
②洗剤を水かお湯でよく洗い流す。汚れや洗剤が残っていると、次の殺菌がうまくできないそう
です。
③熱湯をかけたり、次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤につけて殺菌。つけ置きが効果的。
☆当社のパイプクリンW(次亜塩素酸ナトリウム使用)もおすすめ
④よく乾燥させる。日光乾燥が紫外線の殺菌効果も期待できおすすめ。ただし、ホコリや雨、
鳥フンがつかないように。
高温多湿の日が続くこの時期だけでなく、1年中食中毒は起こりますので、調理器具や食器類は
常に清潔に保ちましょう。