トピックス
くしゃみ・せきのしぶきはリスク大
インフルエンザや風邪にかかった人が、くしゃみや咳をすると、なんとなく気になります。
ウイルスや菌がばら撒かれているのではないかと。
厚生労働省のサイトでは、くしゃみや咳を浴びる距離を2メートル程度とし、その範囲内に
いる人は飛沫感染の危険性が高いとしています。
それでは実際に、くしゃみによって菌はどれくらいの距離を飛ぶのか。
約3年前になりますが、アメリカのドキュメンタリーチャネル「ディスカバリーチャネル」
の番組でその実験をしています。
実験を行ったのが、ハリウッドの特殊効果スペシャリストたちです。
毎秒3000コマの撮影が可能な高速度カメラと、なんと9メートルまで測定できる巨大物
差しを使用し、鼻から吸い込む粉末状の嗅ぎタバコを使って、くしゃみを誘発しています。
そして実験では、くしゃみとともに飛び散る唾液や鼻水のしぶきが超スローモーションで
しっかり捉えられています。
その映像から、しぶきが30cmまで到達するコマ数により、くしゃみの速度を計算すると、
時速は60キロ前後であることが分かりました。日本では、くしゃみのしぶきの早さは新幹線
並みといわれていましたが、それ程速くはないようです。
また飛距離については、4~5メートルまで飛んでおり、厚生労働省の公表値2メートルより
も大きく飛んでいます。
4~5メートルも飛んでしまうということは、飛沫感染による感染拡大の要因となるのは間違
いありません。
さらに同じ回の番組で、手を通じた接触感染の拡大の実験も行っています。
紫外線を当てると光る染料を入れた人口鼻水を分泌する装置をつけて、パーティーに参加した
結果、ほとんどの参加者の手や腕に蛍光染料がベッタリ付着していました。
装置をつけた実験者が鼻水をぬぐった手で触れたものを通じて、他の人に付着していったよう
です。
一人の風邪引きスタッフがいるだけで、空気感染や接触感染によって感染するリスクは十分に
あるようです。
インフルエンザを治す薬はありません
2月に入った現在も、インフルエンザが非常に流行しています。
国立感染症研究所が発表している「インフルエンザ流行マップ」を見ると、関東地方から九州
地方にかけて、警報レベルを超えている都府県がほとんどの状況で、日本地図が赤く染まって
います。
2017年第5週(1月30日から2月5日)の定点当りの報告数が50を超えている都道府
県は、福岡県(55.03)、宮崎県(54.02)、愛知県(51.44)、高知県(50.60)
で、4県もあります。その他にも、多くの県で大流行しています。
学校においては、学級閉鎖、学年閉鎖になっているところもあります。
第5週の1週間に、インフルエンザで医療機関に受診した患者数は、推計約199万人に上って
います。
それだけ多くの方が受診し、おそらくインフルエンザの薬としてもらっていると思われます。
ただしそれはインフルエンザを治す薬ではなく、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるため
の薬です。
治すのには、体に備わっている免疫力がウイルスを退治してくれるのを待つしかありません。
ですので、かからないように予防することが、ある意味一番良い薬になります。
かからないようにするには、まず、インフルエンザが人から人へどうやって移っていくのか、
よく理解しておく必要があります。
インフルエンザの感染経路には、感染している人のくしゃみや咳で出るしぶきを吸い込むこと
によって感染する飛沫感染と、感染している人のウイルスを含む唾や鼻みずが手に付着し、そ
こからドアノブやつり革などを介して手に付着し感染する接触感染が主だといわれています。
しかし、実際にはどの感染経路が多いのか、まだはっきりと分かっていませんし、今後もはっ
きりするとは思いません。
ですので、あらゆる感染経路を想定して、予防をするのが一番です。
予防の定番、手洗い、うがい、マスク着用は最低でも行いましょう。
厚生労働省では、手を洗うときは石けんを使って最低15秒以上、指の間や手首まで含めて
しっかり洗うことを推奨しています。
あらゆる感染経路を想定して、オフィスの予防の定番「電話しょうどく」、「パソコンしょう
どく」もやりましょう!
冬の感染症 これからです
松山市(愛媛県)の病院で、インフルエンザの集団感染が発生し、その中で3名の患者が亡くな
ったそうです。
24名の入院患者と、10名の病院職員を合わせて34名がインフルエンザに感染し、亡くなっ
た方は、その入院患者で51歳と88歳、99歳の3名です。
国立感染症研究所によりますと、今期のインフルエンザの患者数は、この10年では2番目に多
くなっています。
1月8日までの1週間の定点当りの全国患者報告数は10.58となり、増加傾向にあります。
都道府県別では、岐阜県が一番多く、次いで秋田県、愛知県、沖縄県、茨城県と続いています。
警報レベルを超えている保健所地域は19箇所になっています。
この1週間で全国の医療機関を受診した患者数は、推計約81万人に上るということです。
インフルエンザの流行は、例年今からがピークとなるため、今後も感染者の増加が見込まれます。
逆に、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者は減少傾向となっており、国立感染症研究所
の報告によりますと、前週病院を訪れた患者数は、前週と比較して、半減しています。
しかし、いまだに感染性胃腸炎の集団感染が多く見受けられ、集団食中毒が増加してくるのも
1月以降のため、まだまだ注意が必要です。
感染のしくみを理解して、予防をしっかり行い、気をつけましょう。
旬の食材が作り出す抗菌剤
白子が旬の時期です。
魚の白子というのは、オスの魚の精巣のことで、メスにはありません。
主な食される白子は、フグの白子、サケの白子、たらの白子などがあります。
イカの白子もありますが、数が少ないため、あまり出回らず、高級料亭などでしか見かけないよう
です。
サケやニシン、マスなどの白子から抽出される物質で、「プロタミン」というものがあります。
プロタミンは抗菌性を有し、特にグラム陽性菌に対して強い抗菌作用があり、耐熱性に優れ、アル
カリ性域でも抗菌性を発揮できます。
このためか、熱やアルカリに強い、耐熱性の芽胞形成菌や毒性の強い黄色ブドウ球菌など、病原性
細菌に対して優れた抗菌性をもっています。
天然物由来の安全な食品保存料として、添加物で広く食品に利用されています。
今日では、米飯やメン類、クリームやカスタード等の洋生菓子類、和菓子類などに添加されています。
食品の原材料表示を見ると、“保存料(プロタミン)”、“保存料(しらこたん白)”と表示され使用
されているのが分かります。
近年では、プロタミン分解物を応用したものが、カンジタ菌に対する抗真菌活性の働きがあること
から、入れ歯の口腔カンジタ症状に利用されたり、歯周病原菌に対しても抗菌性が認められ、口腔
ケアに応用され始めています。
また、プロタミンは、脂肪吸収抑制効果があることも確認されており、メタボリックシンドローム
の予防に対する有効な素材と考えられています。
さらに、レアアースの採取にも活用できることがわかっており、抗菌剤だけでなく活躍の場が拡がっ
ています。
家の中はカビの理想郷
今年も残りわずかとなりました。
オフィスや自宅の大掃除に取り掛かる時期ですね。
自宅の大掃除をして、初めて気付くカビの発生も少なくありません。
カビは目に見えていないものもあり、実はカビの宝庫となっている可能性もあります。
本来カビ類の多くは、土の中などに生息しておりますが、その胞子が地表に出て空中を浮遊することに
よって、あらゆる経路で家屋の中に侵入します。
侵入したカビの胞子は、室内の好条件の環境で死滅せず、ハウスダストに混ざり合って発芽の機会をう
かがっています。
実はハウスダストには、無数のカビが生息しているといわれています。
カビが発生しやすいのは、湿気の多い浴室や洗面所、台所などです。
それ以外にも、寝室は窓ガラスに結露が発生しやすく、それが原因でサッシ類や窓枠などにもカビが発
生します。
また結露は、窓ガラスだけでなく、カーペットや壁面にも見えないところで発生しており、それが原因
で壁面でも風通りが悪い場所にカビが発生しやすくなります。
他にも、湿気が多い押入れや下駄箱などもカビにとって絶好の繁殖場所になります。
寝具などから蒸発する湿気や結露によって押入れの中は高温多湿状態になり、常に通気性に乏しく密閉
状態であるためです。
カビが生えると、それをエサにダニが繁殖します。カビとダニ、ダニの糞などが健康を害する要因にな
り、アトピーやアレルギーの原因にもなります。
年末の大掃除のときだけでなく、常日頃から室内の清掃を心がけ、風を通すようにしましょう。
年末年始休業のお知らせ
いつも有難うございます。
誠に勝手ながら、2016年12月29日(木)から2017年1月4日(水)まで、年末年始休業と
させて頂きます。
1月5日(木)から平常どおり営業致します。
ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
カニ・エビから生まれる抗菌物質
キチンは、カニやエビ、シャコなどの甲殻類の殻や、貝、イカなどの軟骨、昆虫などの外殻に多く含
まれています。
実際は、甲殻類の殻からタンパク質などの成分を取り除いて精製されたものです。
キトサンは、キチンを原料に化学処理をして変化させた抗菌剤です。
キトサンの抗菌作用は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、MRSA、緑膿菌、肺炎桿菌などの細菌類に有効
なことが確認されています。
キトサンの抗菌作用のしくみは、細菌やウイルスのほとんどがマイナスの電気を帯びているため、
キトサンの持つプラス電荷に引き寄せられ、繁殖を防いでいます。
この抗菌作用を利用して、低温でのしょうゆやみその醸造や、野菜の浅漬けに加えて防腐、保存にも
役立てています。
また、抗菌防臭繊維にも使用されており、制菌素材として医療機関や介護施設などで使用される白衣
やシーツ、除菌ガーゼなどで活躍しています。
キトサンの入った肌着には、保湿と抗菌力があり、アトピー性皮膚炎に効果があるといわれています。
さらに抗菌作用以外にも、いろいろな用途に使用されています。
キチンは、人体への親和性が高く、細胞となじみがいいという性質を利用して、人口皮膚や手術用の
縫合糸などにも使われ、医療分野において欠かせない存在となっています。
他にも、土壌改良剤や工業排水、畜産・漁業用の飼料、汚水処理などにも使用されているようです。
水虫にも効くといわれており、直接塗布すれば効果があるそうです。
カニやエビは、古来から世界各地で食べられてきたものですので、キチン・キトサンは安全性が高い
抗菌性物質といえます。
紀元前から活用されているアロエ
今では、美肌効果などで注目されているアロエは、紀元前から病気やケガ、美容のために活躍してい
ました。
約3500年前の紀元前1500年頃に埋葬された、古代エジプトのミイラと一緒に発見された書物
に、アロエの使用についての記述があったようです。
また、アレクサンダー大王は、兵士の病気やケガの薬として、アロエを栽培して使用したといわれて
います。
絶世の美女として有名なクレオパトラは、アロエベラエキスを化粧水として全身に使っていたとされ
ています。
紀元1年には、ローマ皇帝ネロの侍医であったディオスコリデスが著した「ギリシャ本草」の中には、
アロエの薬効や服用法と効果が詳しく記されており、便通促進効果、胃の保護効果、ケガ、目の病気、
打撲、痔、蓄膿など、まさに万能薬として扱われています。
抜け毛を防ぐことまで書かれているようです。
中世になると、アロエの薬効を知った神父や修道僧が、常備薬として持ち歩き、広くヨーロッパに広
まり、コロンブスらによって、アメリカ大陸にまで伝えられたといわれています。
アロエはユリ科の植物で、薬用と観賞用があり、もちろん薬効を期待して使用するのは薬用の方です。
アロエの有効成分は、「植物フェノール系」、「多糖類系」、「その他」の3つの成分に分けられ、
あらゆる働きします。
主な効果としては、抗菌作用、抗炎症や抗アレルギー、健胃などの薬効があります。
また、肌に直接つけることで、コラーゲンの生成を助け、新陳代謝を促進する働きがあり、シミや
シワを改善し、肌の若返り効果もあるといわれています。
現在分かっている薬効をみても、ディオスコリデスの「ギリシャ本草」に書かれた薬効とほぼ変わら
ないように感じます。
古代の人々は、これらの効果を科学的に調べる術をもっていなかったと思われますが、色々な薬効を
とても細かく知り得ていたことに驚きです。
まもなくインフルエンザの季節
今年もインフルエンザの流行が徐々に拡大しています。
厚生労働省の11月18日の発表によると、11月7日から13日の間(第45週)の定点当たり報告
数は0.84となり、前週の0.59より増加しました。
インフルエンザの患者数は、全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関(小児科約3,000、内科
約2,000)から毎週報告されており、その1定点当たりの患者数が10を超えると注意報となり、30
を超えると警報が出されます。
注意報は、流行発生前であれば、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があり、すでに流行して
いれば、流行が続いていることを示しています。
警報は、大きな流行が発生していることを示しています。
第45週の時点で報告数の一番多い都道府県は、沖縄県で定点当たり7.97となっています。その後、
栃木県(2.86)、北海道(1.92)、福井県(1.91)、岩手県(1.54)、群馬県(1.36)、
埼玉県(1.12)と続いています。
定点医療機関のこの1週間の患者報告合計数が4,133人ということから、定点以外を含む全国の医療
機関をこの期間に受診した患者数は、推計で約5万人になる模様です。
小中学校、高校においては、すでに学級閉鎖や学年閉鎖まで発生しています。
現在は、インフルエンザが流行していませんが、例年、年明けから流行が拡大しています。
予防対策はしっかりしていきましょう。万一感染してしまった場合は、他の人に拡大させないように
十分に注意しましょう。
くしゃみや、咳でシブキが飛び散ります。もし風邪やインフルエンザにかかっていたら、ウイルスが
含まれたシブキが飛び散ることになります。
距離も数メートル飛ぶことが実験で分かっています。
また、空間に散ったウイルスは、空間で30分以上浮遊しているということです。
他人に移さない予防対策も考えていきましょう。
鳥インフルエンザウイルスが南下
先日、秋田市の大森山動物園で飼育されていたコクチョウの死骸から鳥インフルエンザウイルス
が確認されました。
簡易検査によるため、精密な検査が必要と思われますが、関係各所が警戒、野鳥の監視を強化
するということです。
農林水産省によると、今年の6月に「高病原性鳥インフルエンザ(H5N8型)」に感染した
野鳥がロシアの野鳥営巣地で確認され、8月にはアラスカでも感染した野鳥が確認されました。
その後、10月以降には、欧州の各地でウイルスに感染した多数の野鳥が確認されています。
特に、ドイツでは60羽の野鳥、オーストリア、ドイツ、スイスの国境に位置するボーデン湖
では、100羽超の野鳥の死亡が報告されています。
ハンガリーでは、農家の七面鳥にも感染が広がってしまいました。
さらに南のインドでも、野鳥の感染が確認されています。
これらの感染原因となったウイルスは、ロシアから越冬のため南下した野鳥によって運ばれた
とみられています。
鳥インフルエンザウイルスは、野鳥であるカモやアヒルなどの水鳥の腸管に保有し、共存をは
かっています。
通常、その宿主に対して病原性を示すことはありませんが、何かが原因で強毒になり、致死率
の高いものが「高病原性鳥インフルエンザウイルス」と呼ばれます。
鳥インフルエンザウイルスは、ヒトへは感染しないと考えられてきましたが、近年、インドネ
シアやタイ、ベトナムなどアジアを中心に、高病原性インフルエンザウイルスがヒトに感染し、
鳥インフルエンザを発症したことが確認されています。
現時点で、過去に日本で発症した人はいません。
ヒトには感染する確率は低いようですが、濃厚に接触した場合には感染する確率が高くなる
ようなので、死骸や排泄物などには十分に気をつけなければなりません。