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トピックス

 体温調節に気をつけましょう

  連日、気温の高い日が続いておりますが、逆に体温は下げやすい時期です。知らず知らずに
  体に負担がかかっています。

  冷房の効いた涼しい室内と、高温多湿の室外との温度差は、体温調節を狂わせてしまいます。

  さらに、冷房の効いた室内で体を冷やし過ぎたり、冷たい飲料を飲みすぎたりして、体内温度
  を低下させてしまいます。


  現代の女性は、低体温の人が増えているそうです。日本人の平均体温でみると、約55年前と
  比較して0.75度下がっています。

  体温は、気力・生命力・新陳代謝と深い関係があり、体温の低下は、体内外の機能低下の指針
  になります。


  理想の体温は、37度程度です。

  糖質や脂質を分解してエネルギーを作り出したり、肝臓や筋肉などにエネルギーを溜めたり
  する身体機能の「代謝」がもっとも良くなるのが、体温37度です。これは、体内にある酵素
  が一番活発に働くことができる体温だからです。


  体温が1度下がると基礎代謝は約12%低下するといわれています。基礎代謝が低下すると
  いうことは、太りやすくなるということです。


  他にも体温が高いといろいろと良いことがあります。

  まず免疫力も高くなります。
  風邪などの感染症やアレルギー疾患にかかりにくくなり、ガン細胞に対する攻撃力も強くなり
  ます。
  体温が1度下がるだけで、免疫力が約37%低下するといわれていますので、免疫細胞にとっ
  ても極めて重要です。

  また、自律神経のバランスを安定させたり、血行が良くなり内臓機能を活発に働かせます。
  十分な栄養や水分、酸素が細胞の隅々まで行き渡り、不要な老廃物も蓄積されません。
  肌細胞の代謝も促し、肌もキレイになります。


  人間には生まれつき、さまざまな調節機能が備わっています。その機能を十分に働かせるため、
  体温を下げすぎないように注意しましょう。

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 健康肌をつくる菌

  今の暑い季節は、汗をかき油っぽくなる顔を洗顔剤でさっぱり洗いたくなります。

  でも、これが肌にとってとても良くないことです。


  皮膚に必要な常在菌には、「表皮ブドウ球菌」「アクネ菌」がいます。「美肌菌」とよく
  呼ばれる菌です。
  他には、「黄色ブドウ球菌」や「マラセチア真菌」も皮膚の常在菌として存在します。


  表皮ブドウ球菌は、皮脂成分を分解し脂肪酸を作ります。脂肪酸により肌表面を弱酸性に
  保ち、アルカリ性が大好きな病原菌の増殖を防いでくれます。

  アクネ菌も表皮ブドウ球菌と同じように、肌表面を弱酸性に保つ働きをします。

  ところが、アクネ菌はニキビの原因菌ともいわれます。それは、皮脂が過剰に分泌される
  (偏食、ストレス、寝不足、思春期などが原因)と、毛穴の入り口付近にも存在している
  アクネ菌が異常増殖し、炎症を起こしてニキビの原因となってしまうからです。

  ですので、肌環境を良くするためには、皮脂量のバランスを整え、弱酸性の状態をいかに
  保つかが大切になります。


  美肌菌の表皮ブドウ球菌やアクネ菌は、水で顔を洗うだけで、約80%が洗い流されて
  しまいます。ただし水だけで洗った場合は、残った菌がすぐに増殖し、30分から2時間
  ほどで元に戻ります。

  しかし、ここで洗顔剤を使うことによって、ほとんどの美肌菌がいなくなってしまいます。

  肌はアルカリ性に傾き、皮膚が極度に乾燥します。美肌菌も皮脂も洗い流されてしまって
  いるため、皮脂を元にして作られる脂肪酸がなかなかできなくなり、肌が弱酸性に戻るのに
  時間がかかってしまいます。元の状態に戻るには、およそ丸1日を要します。


  また、肌がアルカリ性になると、弱酸性の肌状態のときにはおとなしくしていた黄色ブドウ
  球菌ががぜん元気になり、肌の炎症を招き、かゆみや湿疹を引き起こすことになります。


  そのため、まずは健全な肌環境を作るためには、洗い過ぎないことが大事です。

  また、夜更かしは皮脂が分泌し続けてしまい過剰になるため、規則正しい生活を心がけ
  ましょう。

  そして、適度な運動で良い汗をかき、バランスのよい食事もして、美肌な肌環境を作り
  上げましょう。
 

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 リンゴ病もウイルス感染症

  リンゴ病(伝染性紅斑)が大きな流行となっています。

  6月22日から28日の1週間の患者数が通年より多く、滋賀県など5県で警報レベルに達し
  ています。
  東京都も、6月15日から21日までの1週間の患者数が警報基準を超え、流行が広がってい
  ます。患者の約71%は、6歳以下の小児です。


  リンゴ病もウイルス感染症の一つで、パルボウイルスB19が原因となります。

  感染経路は飛沫感染または接触感染ですが、感染力が弱いため、急激に感染拡大することは
  ほとんどありません。
  また、紅斑が現れたときには、ほぼ感染力が無くなっています。そのため、逆に感染が広がり
  やすいともいえます。


  感染すると、10日から20日の潜伏期間後、頬に蝶翼状の紅斑が出現することが特徴です。
  頬に続いて手や足に発疹がみられます。他の部位にも発疹が出ることがあります。
  紅斑が現れる前は、発熱やせき、鼻づまり、鼻汁などの風邪のような症状が必ず発症します。


  リンゴ病に対する特別な治療法はなく、対症療法のみです。ワクチンもありませんが、幼児期
  や小学生のうちに感染することが多く、大人になるまでに一度感染すると、ほとんどの人が
  免疫を獲得します。

  子供のうちの感染は症状が軽いため、一度感染した方がいいのかもしれません。
  但し、大人が感染すると、関節痛や頭痛を引き起こし、関節炎を発症する場合が多くあります。
  微熱や倦怠感が長引くこともあり、症状が重くなりがちです。

  また、妊婦の方が感染すると、流産につながる可能性が高くなるため、もっとも注意が必要です。


  この時期は、三大夏風邪の手足口病、プール熱、ヘルパンギーナの流行期でもあります。

  体力の低下、抵抗力の低下はかかりやすくなります。
  しっかりと睡眠と食事をとり、規則正しい生活を心がけましょう。


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 人に必要な菌

  ウイルスには、人間にとって必要なウイルスがいる。菌にも必要な菌がいる。


  ウイルスの中には、人間の進化の過程で重要な役割を果たしてきたウイルスがいることが
  分かってきています。

  菌というと悪いイメージを想像しがちですが、菌の中にも人間に必要な菌がたくさんいて、
  その菌の力を借りて生きています。


  人と菌との係わり合いは、胎内での無菌状態あと、生まれたときから菌と共に生きること
  が始まります。そして、一般的に常在菌といわれる菌が外部との接触により口や肛門など
  を介して感染し定着していきます。


  常在菌は、腸内にもっとも多く生息し、その数は100兆個! 種類は400種類といわ
  れています。他にも、口腔内や皮膚表面にも棲みついています。

  常在菌の中で代表的なのは、乳酸菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、緑膿菌、
  肺炎球菌などです。胃がんとの関係が指摘されているピロリ菌も人口の約半分の人が保菌
  しているといわれる常在菌の一つです。


  これらの常在菌は、人の身体で棲み分けがしっかりできています。
  棲み分けの平衡状態が保たれているのときは、外部から新たな病原菌が少しくらい侵入し
  てきたところで、常在菌が防御し身体を守ってくれますし、他にも人のために働いてくれ
  ます。
  常在菌はそれぞれの菌がいるべき場所にいる限り、人体に悪い影響を及ぼしません。

  しかし、本来いるべき場所でないところに侵入すると、悪さをしだします。

  何らかの理由で身体の免疫機能が低下し抵抗力がなくなると、常在菌の平衡状態が崩れます。
  疲れやストレス、病気、抗生物質による一部の常在菌が弱ることなどが原因となります。

  そうなると、常在する場所で異常増殖して炎症を引き起こしたり、血流に侵入して別の部位
  に感染し病気を発症してしまいます。外部から侵入してくる病原菌に対して防御力も弱まっ
  てしまいます。

  ですので、常在菌の平衡状態を保つことが、健康維持や病気の予防には非常に大切です。
  それには免疫力を下げないことです。


  これからの季節は、冷たいものを取り過ぎがちになります。
  あまりにも冷えたものを取り過ぎると、体内温度が下がることで免疫力も低下してしまいます。

  中国の薬膳の考え方に、「冷たいものは健康に悪い」というものもあるように、体を冷やし
  すぎることは健康によくありません。

  普段から免疫力を下げないように気をつけましょう。


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 人間があるのはウイルスのおかげ

  ウイルスといえば、人間にとって病気を引き起こす、やっかいな微生物の印象しかありません。
  MERSもエボラ出血熱も、デング熱もウイルスによって発症します。

  しかし、最近の研究で、生物は進化の過程でウイルスの遺伝情報を取り込み、ウイルスに対する
  免疫機能を獲得してきたことが分かりつつあります。


  京都大ウイルス研究所の教授によると、人のゲノムには、ウイルス由来と考えられる遺伝情報が
  25万6千個以上あるということです。


  ウイルスは、自分自身では増殖することができないため、人の細胞の力を借りて増殖します。
  このとき、細胞のゲノムにウイルスの遺伝情報が組み込まれてしまうことがあるということです。
  人だけでなくあらゆる動物も同様のようです。

  いろいろな種類のウイルスの遺伝情報が組み込まれることで、あるウイルスに対して同じ遺伝情報
  を持っていれば防御機能を発揮し、持っていなければ、病気を発症してしまうということです。


  昨年から恐れられているエボラウイルスは、人間に対しては害を及ぼしますが、エボラウイルス
  の遺伝子がゲノムに含まれているある種のコウモリの一部は、感染にしても病気を発症しないこと
  も分かっています。


  また驚くことに、ウイルスは人間の進化の過程で、その組み込まれたウイルス由来の遺伝情報が
  重要な役割を果たしてきたということも解明されてきています。

  人体に不可欠な遺伝情報に生まれ変わったものが、ウイルス由来の遺伝情報の中にあるという
  ものです。

  哺乳類の軟らかい皮膚を作るとされる「サスペース」、哺乳類が子宮で胎児を育むために不可欠
  な遺伝子とされる「シンシチン」などの遺伝子は、ウイルス由来の遺伝子と考えられるといわれ
  ています。


  ウイルスが出現したのが、およそ30億年前といわれています。生物が誕生したのが、それより
  ずっと後です。人はもっともっと後になります。

  ウイルスは、いつも危険視される存在でありますが、生物や人よりもずっと前から存在し、共生
  してきたことを考えると、ウイルスに対する見方が変わります。

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 生肉による感染症 他にもあります

  生の肉や加熱が不十分な肉を原因とする食中毒は、E型肝炎ウイルスの他にカンピロバクター
  による事例も多くあります。

  これからの夏にかけて増加する傾向にあります。


  カンピロバクターは、家畜、家きん、ペット、野生動物、野鳥などあらゆる動物が保菌して
  います。

  食用としている身近なものでは、ニワトリや牛、ブタ等などで、その腸管内に生息していま
  す。
  これらの肉(特に鶏肉)やレバーなどの臓器を生のまま食べたり、加熱が不十分な状態で食
  べることにより感染します。


  また、何らかが原因で水系がカンピロバクターに汚染された場合、集団感染に発展しやすく
  なります。

  1978年にアメリカのコロラド州において、水道水が汚染源となり約2,000人に集団感染
  しています。このときにカンピロバクターの食中毒が世界的に知られるようになりました。

  日本においても、1979年に札幌市の大型スーパーから約7,700人におよぶ集団感染が
  発生しました。井戸水がカンピロバクターと病原性大腸菌に汚染されていたためでした。


  その他にも、生肉などを取り扱った手や調理器具を介して、菌が広がることもありますので、
  調理する際にも注意が必要です。


  最近のカンピロバクターによる食中毒事例では、“鶏たたき”や“とりわさ”、“鶏刺し盛り合わせ“
  などが発生源となっています。生あるいは半生の状態で食べたこと原因となっています。


  感染した場合、少量の菌(100個前後)で発症し、発熱、倦怠感、頭痛、吐き気、腹痛、
  下痢などが見られます。
  子供や高齢者がかかった場合、重症化しやすいため、いっそうの注意が必要です。


  カンピロバクターは、冷蔵または冷凍温度下でも生存できますが、熱に弱いため、十分に
  加熱することで死滅します。
  東京都の健康安全センターが行った肉団子の加熱実験では、肉団子の内部の色が変わるまで
  加熱しないと、完全に菌は死滅しないことが分かっています。

  また、乾燥にも弱いため、調理器具などはよく洗浄し、熱湯消毒後よく乾燥させることが大切
  です。


  カンピロバクターも性質さえ分かっていれば、それ程恐ろしい菌ではありません。

  とりわさなど、とてもおいしいのですが諦めて、しっかり加熱されたものを食べましょう。

 

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 また楽しみが一つなくなる

  厚生労働省は、飲食店などで、レバーなどの内臓を含む豚肉の生での提供を禁止しました。
  動物から人に感染するE型肝炎にかかる可能性のリスクが高いためです。

  3年前には、生の牛レバーを食べたことが原因で集団食中毒が発生したことを受けて、
  牛レバーの生での提供が禁止されています。こちらは、腸管出血性大腸菌(O-111)
  が原因によるものでした。


  肝炎は、肝臓に炎症が起こり、肝細胞が破壊される病気です。お酒の飲みすぎが原因のこと
  もありますが、ウイルスが原因による肝炎が圧倒的に多くなっています。

  肝炎ウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型があり、今回その中のE型肝炎ウイルス
  が問題となりました。


  A型とE型は、感染経路が似ており、主に飲料水や食物を介して感染します。
  経口感染でウイルスがいったん体内に入ると、胃の中の酸に負けず腸まで届き、そこから
  血液の中に侵入して肝臓に到達し、肝細胞に感染。肝臓の中で増殖して、肝炎を引き起こ
  します。


  A型肝炎ウイルスは、日本国内の衛生環境が良くなったので、感染者は激減していますが、
  衛生状態の悪い国への渡航により感染してしまうことがあります。

  E型肝炎ウイルスは、近年国内で増加しており、豚やイノシシ、シカなどの生肉を食べて
  感染していることがわかってきたため、今回は豚の生肉だけですが、提供禁止になってし
  まいました。


  A型は、一度感染すると抗体ができ、再び感染することはありません。またワクチンが
  開発されているため、予防が可能です。

  しかし、E型は感染しても抗体が短時間で消滅してしまうため、再感染の恐れがあり、
  ワクチンも開発されていません。
  また、A型より感染率は低いのですが、いったん感染するとA型よりずっと重症化します。
  急性肝炎が悪化して劇症肝炎になる確率も、A型は0.1%ですが、E型は1.0%と高く
  なります。


  A型もE型も十分に焼くあるいは煮ることで肝炎ウイルスは死滅し、感染の危険性はなく
  なります。
  しかし、生レバーが食べられなくなったことは、非常に残念でなりません。
  また一つ、食の楽しみがなくなりました。

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 三大夏風邪のひとつの「手足口病」

  口や手、足などに水疱性の発疹が現れる急性ウイルス性感染症の「手足口病」が西日本を中心
  に流行しており、関東地方でも流行の兆しがあります。


  手足口病は、夏季に発生しやすい感染症ですが、今年は例年より早く流行り始めているようです。


  発症するのは、5歳以下の乳幼児が中心で9割前後を占めており、それ以上の年齢では、既に
  感染を受けている場合が多く、発症するのは稀です。

  感染すると、3~5日の潜伏期間を経て、口腔粘膜や手、足に2~3mmの水疱性の発疹が現
  れます。


  原因となるウイルスは、「エンテロウイルス」です。

  エンテロウイルスは、腸管で増殖するウイルスの総称で、67種類が存在します。
  その中のコクサッキーA16、A10ウイルスやエンテロウイルス71などが手足口病の原因
  ウイルスとなります。
  ヘルパンギーナや無菌性髄膜炎などもエンテロウイルス種による感染症です。

  また、傷んだ貝類を食べて罹るとされるA型肝炎ウイルスは、海に流された汚水中のエンテロ
  ウイルスが原因です。ハマグリやカキは、汚染された水から食物を取ると同時にエンテロウイ
  ルスが蓄積されるようです。


  感染経路は、主に飛沫感染、接触感染で、便中に排泄されたウイルスによる経口感染の場合も
  あります。


  手足口病に有効なワクチンはなく、予防できる薬もありませんが、罹ってもほとんどが軽い症状
  で済むことから、免疫力をつけるという意味で、感染してはいけない病気ではないのかもしれません。

 

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 新興感染症の感染拡大

  韓国で感染拡大が懸念されている中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)は、ウイルス性の
  感染症です。

  2012年に英国が、中東に渡航暦のある重症肺炎患者から発見したことを世界保健機構(WHO)
  に報告し、知られることとなりました。同年にサウジアラビアで最初に確認されています。


  原因となるウイルスは新種のコロナウイルスで、一般的な風邪や2002年から03年に中国
  や香港においてまん延したSARS(重症急性呼吸器症候群)と同じウイルス類です。

  SARSでは、数千人の感染が拡大し、750人以上が命を落としました。
  MERSは、WHOによると、現在までに世界で累計1,161人が感染し、少なくとも436人
  が死亡したとしています。

  SARSは感染力が強かったため急激に拡大しましたが、MERSは感染力が弱く、人から人
  への感染は限定的といわれています。しかし、致死率は非常に高い状況のため危険なウイルス
  に変わりありません。

  感染経路は、飛沫感染か接触感染かはっきりしたことは判明していないようです。


  MERSに感染すると、2~15日の潜伏期があり、その後急性の重症な呼吸器症状を発症し
  ます。発熱、せき、息切れや呼吸困難を伴い、ほとんどの患者が肺炎を起こすということです。
  また、多くの患者が下痢などの消化器症状も伴うようです。

  但し、初期症状が他の呼吸器感染症と似ているため、早い時期にMERSと診断することは
  難しいとされています。


  2012年には、サウジアラビアを中心に中東で感染が拡大、患者数が急増しました。
  アメリカや東南アジアでも中東に渡航暦のある人が感染していましたが、感染は限定的でした。


  今回韓国では、感染が5月20日に確認されてから、感染者数は25人に拡大し、2人が死亡
  しています。最初の感染者が病院を転々とする間に感染が広がっており、拡大要因は院内感染
  といわれております。


  現在、日本での確認はされておりませんが、厚生労働省は、注意喚起し警戒しています。

  MERSに対する特別な治療薬やワクチンは無いため、感染拡大を防ぐためには、予防
  非常に大切になります。


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 密封食品でも食中毒に注意を

  細菌にはいろいろなタイプがあり、酸素がない状態でも繁殖するタイプがあります。

  酸素のない状態で生息、もしくは酸素があると発育できない細菌を「偏性嫌気性菌」といい
  ます。酸素があると増殖が増す「通性嫌気性菌」と呼ばれるものもいます。


  偏性嫌気性菌の代表的なものは、ボツリヌス菌、破傷風菌、炭疽菌などです。

  その中でも、ボツリヌス菌は増殖する過程で猛毒の毒素を作り出し、命にかかわる食中毒の
  原因になることがあります。この毒素は、最強の自然毒素といわれているようです。


  ボツリヌス菌は、土壌や水中に広く生息していて、海や湖の泥に中にもおり、常に食品を
  汚染する危険性があります。

  酸素のない状態でも生息できるため、缶詰や瓶詰め、真空パックなどの密封食品でも、食品
  加工中の殺菌が不十分だと、食品中に細菌が繁殖し、食中毒の原因となってしまいます。

  また、まわりの環境が悪くなると、芽胞と呼ばれる堅い殻みたいなものを形成するため、熱
  や消毒薬に強い抵抗力を持ち、長時間煮沸しても死滅しないこともあります。
  ただし、ボツリヌス菌の毒素は、加熱により毒性を失います。


  ボツリヌス菌による大きな被害で問題となったのは、1984年に熊本県で製造された真空
  パックの「辛子レンコン」による食中毒です。このときは、36人が感染し11人が命を失
  いました。
  近年では、2012年に岩手県で製造された「あずきばっとう」を食べた鳥取県の方がボツ
  リヌス症を発症しています。

  食中毒の中でもボツリヌス菌によるものは非常に危険です。

  厚生労働省から、「真空パックなどで、膨張、異臭のある場合は、菌が繁殖している可能性
  があります。絶対食べないようにしましょう」と注意喚起がなされています。

  真空パックなどの密封食品でも常温で放置することはやめましょう。
  「要冷蔵」「10℃以下で保存してください」などの注意書きがある場合は、適切な保存
  に注意しましょう。

  
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