ホーム>トピックス>トピックス

トピックス

RSウイルスも拡大

  「RSウイルス」の感染が拡大しているようです。

  RSウイルスは、呼吸器疾患の「RSウイルス感染症」を引き起こします。

  RSというのは、呼吸器(respiratory tract)感染症患者から分離され、感染細胞が多核巨細胞
  (合胞体syncytium)を形成することからです。

  麻しんやおたふくかぜのウイルスと同じパラミクソウイルス科に属します。

  麻しんやおたふくかぜと違い、一度感染しただけでは防御免疫が不十分で、何度も発症しますが、
  通常発症を追うごとに症状は軽くなってきます。


  厚生労働省の資料によると、

  生涯にわたり何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%
  の乳幼児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。

  但し乳幼児期においては非常に注意する必要があり、特に生後数週間から数カ月の間に初感染した
  場合は、細気管支炎や肺炎といった重篤な症状を引き起こす場合があるようです。

  乳幼児における肺炎の50%、細気管支炎の50~90%がRSウイルスによるものであるという報告も
  あります。


  感染経路は、感染している人の咳やくしゃみ、会話などで放出される小さな水滴(飛沫)を吸い
  込み感染する飛沫感染や、感染している人との直接接触や、ウイルスが付着した手指やドア
  ノブ、スイッチ類、電話機、OA機器から間接接触などの接触感染になります。
  空気感染の報告はないようです。

  特に家族内では感染しやすく、乳幼児とより年長の小児のいる家族では、流行期間中に感染することが
  多いようです。


  RSウイルスに感染すると、2~8日の潜伏期間を経て、発熱や鼻汁などの症状が数日続きますが、多く
  は軽症で済みます。重症化すると、咳がひどくなったり、呼吸困難となるなどし、場合によっては、細気管
  支炎や肺炎に重篤化します。


  RSウイルスに対するワクチンは実用化に至っておらず、治療は対症療法になりますので、予防を重視
  するしかありません。

  予防には、手洗い、マスクが有効とされています。
 

感染症の感染経路---接触感染

  感染症の主な感染経路には、接触感染、経口感染、飛沫感染、空気感染があります。


  その中でも接触感染は、医療関連感染でも最も頻度が高く、重要な感染経路の一つです。

  接触感染は、文字通り接触して感染するものです。

  握手や抱擁など皮膚や粘膜の直接的な接触により感染する場合は、「直接接触感染」となります。

  ドアノブやボタン、スイッチ、手すり、便座等を触ったことにより、その表面を介して病原体が付着する
  ことで感染した場合は、「間接接触感染」となります。

  いずれの場合も、病原体に汚染された手指・物体・食品に触れたり、病原体を含んだ排泄分・
  おう吐物・血液・分泌物に触れたことにより、主に口から体内に侵入します


  接触感染の可能性のある病原体は、黄色ブドウ球菌、ロタウイルス、ノロウイルス、腸管出血性大腸
  菌(O-157)、多剤耐性緑膿菌、インフルエンザウイルス等です。
  エボラウイルスも主に接触感染で広がるとされています。


  以前の記事で紹介させて頂きました、米アリゾナ大学の研究チームの報告では、オフィスに病原体
  に感染した人が一人いるだけで、オフィスで一般的に触れるものの半分以上が、午前中で病原体に
  汚染されるとしています。

  人工的に作り出した風邪やインフルエンザ、胃腸炎のウィルスで実験を行った結果、4時間で、一般
  的に触れるオフィス内の表面部分だけでなく従業員の手にも、その50%以上が、少なくとも一つの
  ウィルスに感染していたことが判りました。

  中でも多く付着していたのは、電話機、デスクトップ、ドアノブ、コピー機やエレベーターのボタン
  などだったようです。

  もともと生存時間が長いとされている胃腸炎のウィルスは、オフィス内で広がり続けて
 
いたことも判明しています。

  この実験結果においても、接触感染は最も頻度が高くなることが判ります。


  これからの季節には、風邪やインフルエンザだけでなく、感染症胃腸炎が流行します。

  原因となるのはウイルスなどの微生物で、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等が中心です。

  すでに10月以降にノロウイルスが原因とみられる感染症胃腸炎の集団発生が続発していますので
  気をつけましょう。 

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症

  劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、溶血性レンサ球菌が原因の疾患であります。

  溶血性レンサ球菌は、A群、B群、C群などがありますが、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、主に
  A群溶血性レンサ球菌により引き起こされるようです。

  一般的にはA群溶血性レンサ球菌感染による疾患は咽頭炎であり、その多くは小児が発症しますが、
  何らかで原因で菌が血液の中に入ったり、傷口から菌が深く侵入したりすると、劇症型に変わる場合
  があるようです。


  劇症型になると突発的に発症し、四肢の疼痛・腫脹・発熱・血圧低下などの初期症状の後、急激に
  病状が進行し敗血症を起こし、手足の壊死や急性腎不全、多臓器不全などを併発します。
  手足を壊死させてしまうことから、「人食いバクテリア」と言われたこともあるようです。

  発症した人のうち約30%が死亡する、非常に致死率の高い感染症です。


  A群溶血性レンサ球菌に感染した人の中で劇症型を発症する人は限られており、多くは30歳以上の
  大人ですが、ほとんどは咽頭感染あるいは皮膚感染のみで、全く発症しない人もいるようです。

  ただし国立感染症研究所のデータによると、近年は増加傾向にあり、全体数は少ないのですが、この
  3年の間は200人を超える年が続いています。

  患者の中心は60歳台で、比較的高齢者が多いようです。

  がんや糖尿病のような基礎疾患を持つ方や、ステロイドなどの免疫を低下させる薬剤を使用している
  方は発症する危険性が高いとされています。


  感染経路は不明な場合が多く、感染から発症までの潜伏期間も明確ではありません。


  予防のポイントとして、A型溶血性レンサ球菌感染症に罹患しないようにすることです。
  うがい・手洗い、マスク等が有効とされています。


  電話消毒薬の有効成分は、溶血性レンサ球菌にも殺菌効果があります。

  

感染症の感染経路---空気感染

  感染症の主な感染経路には、接触感染、経口感染、飛沫感染、空気感染があります。

  前回掲載した飛沫感染と似たような感染経路を辿るのは、空気感染です。

  飛沫感染との基準の違いは、飛沫の大きさが5μm以下になります。

  5μm以下の飛沫は水分が蒸発し、軽いので長時間空中を漂います。病原性微生物は感染症を保った
  まま漂うため、それを吸い込むことで感染します。

  空気が低温で乾燥していると、より長く感染症を持ち続けるようです。


  飛沫感染の場合は、感染者から2mも離れていれば感染の可能性は低くなりますが、空気感染に距離
  は関係ないということです。

  オフィスや電車やバスなどの交通機関、スーパーなどある程度の閉鎖された空間であれば、感染の可
  能性が高くなります。

  屋外については、どんな病原体であっても空気感染をする確率はほぼないようです。


  空気感染による病気は、結核や麻しん(はしか)、水ぼうそうが代表的なものです。


  空気感染対策として、感染者がマスクをすることである程度防ぐことができるそうです。
  また、密閉された空間では、空調や換気、温湿度の管理が重要です。


  2014112117312.gif
  イラストレーターわたなべふみ  

  予防には、手洗い・マスク   電話には電話消毒です 
 

感染症の感染経路---飛沫感染

  感染症の主な感染経路には、接触感染、経口感染、飛沫感染、空気感染があります。


  これからの季節に流行り始める風邪やインフルエンザの感染は、主に飛沫感染によると考えられて
  います。

  飛沫感染は、感染している人がくしゃみや咳、会話などで放出された病原性微生物がたくさん含ま
  れた小さな水滴(飛沫)を吸い込み、感受性のある人の口腔粘膜や鼻粘膜等に付着することで感染
  します。

  放出される病原性微生物の数は、1回のくしゃみで約200万個、咳で約10万個といわれています。

  飛沫感染による病気は、呼吸器感染によることがほとんどであり、風邪やインフルエンザ、風しん、
  マイコプラズマ肺炎、おたふくかぜなど代表的な感染症です。
  他には、SARS、百日咳、手足口病など多くの感染症の感染経路であります。

  最近関東で感染拡大が指摘されている“RSウイルス”の感染経路も飛沫感染によるものが多いよう
  です。

  ただし、これらのほとんどが接触感染でも感染の可能性があります。


  飛沫感染の基準は、咳などで放出された5μm以上の飛沫が、1m前後の範囲に飛び散り、他の人
  に感染を及ぼすこといいます。ですので、2mも離れていれば感染しないということになりますが、
  普段の生活においては、現実的に難しいと思われます。

  飛沫感染対策として、一番効果的な予防はマスクです。感染している患者だけでなく、周りの人も
  マスクをすることはとても有効です。

 

  予防には、手洗い・マスク   電話には電話消毒です

                                  2014611145926.gifのサムネイル画像                             
                                       
http://www.fumira.jp/ 

エボラにみる感染経路

  今世界が脅威を感じているエボラ。
  エボラ出血熱とは、エボラウイルスによる急性熱性疾患です。
  病原菌よりも微細で、ナノメートル単位の大きさのエボラウイルスが、人間の脅威となっているのは、
  さながら映画の世界です。

  このエボラウイルスの感染経路は、主に接触感染ということです。

  FORTHの情報によると、エボラウイルスに感染した動物や感染した人の体液(血液、唾液、分泌物、
  おう吐物、排泄物)や、体液等に汚染された物質(シーツ、衣類、医療器具、患者が使用した生活用品
  など)に、傷口や粘膜が接触するとウイルスが侵入し、感染するようです。


  この接触感染には、直接接触と間接接触があります。

  直接接触は、握手や抱擁など直接触れることをいいます。
  間接接触は、例えばドアノブや手すり、電話機やパソコンなど物体の表面を介して間接的に感染する
  ことをいいます。

  接触感染による代表的な感染症には、黄色ブドウ球菌、ノロウイルス(経口感染もあり)、咽頭結膜熱
  (プール熱)、ヘルパンギーナなどがあります。O-157やインフルエンザの感染経路にもなり得ます。


  ウイルスによっては、物体の表面上に数日間に渡り生き残る非常に強いものがあり、咽頭結膜熱の原因
  ウイルスであるアデノウイルスはこれに当たります。
  周囲に付着したエボラウイルスも、一定の間は感染力を保持しているようです。


  ものに付着した風邪のウイルスでも2時間以上は感染性を保ちます。

  くしゃみや咳、鼻水などで感染者の手には、自然にウイルスが付着しますので、その人が触れたものにも
  当然ウイルスが付着することになります。そのウイルスが付着したものを別の人が触れることによって、口
  や鼻から体内に取り込んでしまうわけです。

  オフィスでは、非常に可能性が高くなることです。


  ちなみにエボラウイルスは、感染した動物を食べたりすることによって経口感染したり、直接飛沫を浴びる
  ことによる飛沫感染の可能性もあるそうです。ただし、空気感染だけは起こっていません。

 

殺菌効果が認められた病原性微生物②

  電話消毒薬の主成分の硫酸オキシキノリンによる殺菌効果が認められた病原性微生物

  結核菌


  その名のとおり、結核の直接の原因となる細菌です。

  長さ1~4ミクロン、幅0.3~0.6ミクロンの棒状の形をしており、いくつもの菌がくっつきあって房のように
  なっています。
  酸やアルカリに対する抵抗性は強いのですが、紫外線には弱く殺菌灯が感染防止に用いられています。


  結核菌は、肺に巣食うことが多く、結核に罹ると最初は炎症から始まります。炎症が進むと、やがて組織
  が腐った状態になります。その後、腐った組織がどろどろに溶けて、穴の開いた状態になり空洞を形成し
  ます。
  空洞の中は空気もあり、肺からの栄養もあるため結核菌の絶好のすみかになり、ここでどんどん増殖し
  ます。

  この空洞が形成された結核患者は排菌量が多くなり“感染源”となりやすく、咳やくしゃみに混じって空気中
  に吐き出され、他人に感染させるようになります。

  また、結核菌は肺ばかりではなく、リンパ液や血液の流れに乗って、ほぼすべて臓器を冒します。


  結核菌に有効な“抗結核薬”は、現在約10種類以上あります。結核菌はしぶとい菌のため、薬を6~9カ
  月間服用して治します。またその間に薬になれて耐性ができるおそれがあるため、3~4種類の薬を一緒
  に使うのが鉄則です。
  途中で止めてしまうと、多剤耐性菌ができてしまうため、最後まで飲み続けることが大切です。


  結核は、平成24年には全国で約21,300人、東京都で約2,900人が報告されています。
  全世界の総人口の約3分の1が結核に感染しており、毎年900万人が発病し、200万人が死亡していま
  す。近年、HIV感染者の増加により合併症として結核がまん延しています。

  結核、エイズ、マラリヤを3大感染症と呼び、この3つの疾患で毎年500万人が死亡しています。


  電話消毒薬は、結核菌にも有効です。 

 

生肉で感染拡大

  国立衛生研究所によると、2013年の国内のE型肝炎ウィルス(HEV)の感染患者は126人で、2年
  連続で増えているそうです。

  数万から数十万人単位のB型やC型に比べると圧倒的に少ないですが、2011年以前の平均と比較
  すると倍増しています。

  WHOの報告では、世界中で毎年2,000万人が感染しており、300万人以上が急性E型肝炎を発症
  し、5万6千人強の人が関連して死亡しています。

  感染リスクの高い地域は、衛生状態が悪く飲用水の管理が悪い地域で、高頻度に発生しているのは、
  東アジアと南アジアのようです。
  これは、B型やC型が輸血などで感染するのに対し、E型は、感染した人の便中のウィルスに汚染され
  た水や氷、野菜や果物を通じて感染するからです。

  日本では海外からの帰国者が発病すると考えられてきましたが、近年、ウィルスに汚染された豚やイノ
  シシ、鹿の肉やレバーなどの内臓を生で食べることによって感染している実態が分ってきました。

  ウィルスに感染すると、平均6週間の潜伏期間後、急性肝炎を起こし、発熱、全身のだるさ、食欲不振、
  吐き気・おう吐などの症状が現れ、数日後に黄疸がみられます。

  症状が現れる感染は、15歳から40歳の若年成人に最もみられるようです。
  また、重症の場合は回復まで時間がかかります。妊婦では、通常より重症になる確率が高く、特に注意
  が必要です。

  E型肝炎に対しての特別な治療はなく、最も効果的なのは予防です。

  国内においての予防は、生肉を食べないことに尽きます。十分加熱調理してあるものを食べましょう。


  やはり、予防は治療に勝るですね。 

                                   20141022113642.png

                                             20141022114229.png                                         

殺菌効果が認められた病原性微生物①

  電話消毒薬の主成分の硫酸オキシキノリンによる殺菌効果が認められた病原性微生物

  黄色ブドウ球菌
 

  顕微鏡で観察すると、直径1μmの球形をした菌が集合して、ブドウの房状のように見えることから、
  この名前が付きました。培養したときに、黄色い毒素を出します。

  この細菌は、決して珍しい菌ではなく、おでき、にきびや、水虫等に存在する化膿性疾患の起因菌で、
  健康な人でも喉や鼻の中、手指などに高率で存在するといわれています。

  人だけでなく、動物にも存在しており、ごく身近にある細菌です。

  また、食中毒の原因菌としても有名であり、食べ物に付着し、食べ物の中で増殖するときにエンテロト
  キシンという毒素をつくり、この毒素が人に危害をおよぼします。

  菌自体は熱に弱いようですが、エンテロトキシン毒素が熱に強く、100℃で30分間加熱しても残ります。

  また、酸素のない状態でも増殖し、乾燥にも強く、多少の塩分があっても毒素を作ることが可能です。

  そして、酸に強いため、胃酸でも分解されず、胃や小腸で吸収され症状を引き起こします。


  潜伏期間は1~5時間で、食中毒の主症状は、吐き気、おう吐、腹痛です。

  過去には、黄色ブドウ球菌が原因で、1万3千人超の患者を出した集団食中毒事件が発生しています。

  この菌は、手指からの接触感染が主な原因です。
 

  食中毒予防には、「菌を付けない、菌を増やさない、殺菌する」が基本です。 

 

午前中で半分が汚染される

  職場の誰かが風邪をひいて、咳やくしゃみをしていたら、うつされそうな気がする。

  そんな気がするに対する研究結果が米アリゾナ大学の研究チームより報告されています。

  その研究結果によりますと、オフィスにウィルス感染した人が一人いるだけで、オフィスで一般的に
  触れるものの半分以上が、午前中でウィルスに汚染されるそうです。

  実験は一般的なオフィスで行われ、通常の業務日に朝出勤してきた従業員の中の約80名に数滴の
  水を自分の手に垂らしてもらい、普段どおり勤務してもらいました。

  垂らした水のほとんどは、普通の水でありましたが、ただ1名には、本人には知らせず、人工的に作り
  出した風邪やインフルエンザ、胃腸炎のウィルスを含んだ水を垂らしておきました。

  そしてその4時間後、一般的に触れるオフィス内の表面部分だけでなく、従業員の手もサンプリング
  したところ、表面部分および従業員の50%以上が、少なくとも一つのウィルスに感染していたことが
  判りました。

  中でもこの人工ウィルスが多く付着していたのは、電話機、デスクトップ、ドアノブ、コピー機やエレ
  ベーターのボタンなどでした。

  その後、業務の終了時に再びサンプリングしたところ、もともと生存時間の短いとされる風邪やイン
  フルエンザのウィルスはほぼ消滅していたが、胃腸炎のウィルスはオフィス内の70%まで広がり続け
  ていたことも判りました。

  今回の実験したオフィスは、個々に間仕切りされた独立のデスク環境だったにもかかわらず、短時間
  でここまでウィルスが拡がったことに研究者は驚いています。


   「ほとんどの人は、咳やくしゃみが細菌を拡散させると思いがちですが、むしろ手が触った表面
   から細菌が拡がることが最も多い」

  「風邪やインフルエンザのウィルスが一日の終りに消滅していたとしても、他の従業員に感染
   するリスク
は高い。」

  「重要なことは、病気になったときには家にいることです。」

   と研究者は語っています。 

 

       2014910172936.gif

       イラストレーターわたなべふみ 

ページ上部へ